ロジクールのMASTERシリーズ(フラグシップモデル)にはとても魅力的な製品がラインナップされていまして、本記事でご紹介しますキーボード MX Keys miniはその中の1台です。
MASTERシリーズにはMX Keysというフルキーボードもありますが、MX Keys miniはMX Keysからテンキーとカーソルキー、homeキーやendキーなどの部分をカットしたモデルになります。
本記事では、キーボード MX Keys miniを実際に使用してみまして、その特長や使用感、メリット・デメリットなどをお伝えします。
※ロジクール社(logicool)は、スイスに本社を置くロジテック社(logitech)の日本法人です。本記事では、MX Keys miniの製造元の会社名としてロジクールを使用しております。
※レビュー対象のMX Keys miniは、ロジクール社からご提供いただきました。
キーボード MX Keys miniのスペック
まずは、キーボード MX Keys miniのスペックをご紹介します。
名称 | スペック | 備考 |
---|---|---|
高さ | 131.95mm | 製品の上端から下端の寸法 |
幅 | 295.99mm | 製品の左端から右端の寸法 |
奥行き | 20.97mm | 製品の接地面からキーの一番 高い部分までの寸法 |
重量 | 506.4g | |
キー構造 | パンタグラフ | |
キーピッチ | 約19mm | 実測値 |
キーストローク | 2mm弱 | ほぼキーの出っ張り部分の厚み 部分の寸法 |
接続方法 (2種類) | 無線のみ ①Bluetooth ②Logi Bolt | ①Bluetooth Low Energy必須 ②Logi Bolt USBレシーバー利用 |
対応OS | Windows10以降 macOS 10.15以降 Chrome OS Linux iOS13.4以降 Android 5.0以降 | WindowsとmacOS以外では キーカスタマイズ不可 |
キー配列 | JIS配列 | iOS利用時は注意 |
電源 | バッテリー | USB-Cケーブルにて充電 フル充電で10日間利用可能 バックライト未使用の場合は 最長5か月利用可能 |
キーカスタマイズ | ロジクール専用ソフト Logicool Options使用 | |
カラー | ペールグレー/ ローズ/ グラファイト | |
型番 | KX700PG KX700GR KX700RO | ペールグレー グラファイト ローズ |
本体素材 | メタルプレート 一部プラスチック | 具体的な素材は不明 |
いくつか補足させてください。
重量を実際に計ってみました。
ほぼロジクール公称値ですね。
電源は、電池ではなくてバッテリー(充電式)になります。
対応OSについては、単にキーボードとして認識させるレベルでしたら色々なOSで利用可能なのですが、キーカスタマイズなどフル機能を利用可能なのはWindowsとmacOSのみということです。
キーカスタマイズは、ロジクール製のLogicool Optionsというソフトウエアを利用して行います。このソフトウエアが動かないOSではキーカスタマイズできません。
キーピッチとキーストロークに関しましては、公称値がありませんでしたので実測しました。
キーピッチは1.9mm程です。
キーストロークは、下の画像のとおり、キーの出っ張り部分の厚み分が沈み込みます。力いっぱい押し込んでいます。
出っ張り部分は、2mm弱でした。
本体の素材は、ロジクール公式サイトの製品紹介ページ内に「本体は1つのメタルプレートで覆われた非常に丈夫な構造」という記述がありましたので、メタルプレートという表現を使用しました。
実際に触った感じも、プラスチックなどではなく金属的な感触です。
なお、本記事でご紹介しておりますMX Keys miniの色は、「グラファイト」になります。
キーボード MX Keys miniの特長
単に公式サイトに記載されていることをご紹介するだけでなく、可能な限りプラスαの情報をお伝えしたいと思います。
上質なパンタグラフ(打鍵感と安定感)
一言でいいますと上質なパンタグラフという感じでしょうか。
家電量販店で色んなメーカーのパンタグラフキーボードを打ってみたらわかりますが、同じパンタグラフでも打鍵感は様々ですね。
その違いは、キーを打った時の感覚とキーに指を置いた時の安定感にあると思います。
まずは、打鍵感についてです。
押し込むまでの抵抗感(キー荷重)や押し込んだ後の跳ね返り感は、パンタグラフキーボードでしたらある程度はありますよね。
大事なのは、その強度だと思います。
家電量販店などでキーボードを物色するときは、実際にキーを打ってみて感触を確かめると思いますが、キーを押し込む強度は様々です。
他社(3社ほど)のパンタグラフキーボードを押し比べてみた結果、MX Keys miniは軽すぎず重すぎず中間的な位置づけでした。
軽すぎるとミスタッチが多くなって、重すぎるとストレスになってしまいますが、MX Keys miniはほど良い抵抗感でちょうど良いと思いました。
当然個人差があるところですね。
もう一つの安定感についてです。
これは、MX Keys miniを打つ前まではそれほど気にしていなかったことになりますが、MX Keys miniのキーは指を置いた時にキー自体のグラつきがほぼありません。
他社のパンタグラフキーボードの中には、キーの外周部分に指を置くとキーが傾く製品があります。MX Keys miniにはそれがほとんどありません。
MX Keys miniは、キーボードというものはグラつきのないほうが打ちやすいことに気づかせてくれた製品です。
たぶんキーボードに詳しい方でしたら、当然のことなのかもしれませんね。
キーのくぼみと表面のつや消し加工
メインのキーには、下の画像のようないい感じのくぼみが付いています。
今まで使っていたミニキーボードは平面でしたので、へこみがあることでキータッチの感触が全く異なることが実感できます。
一番は、キーの位置が素早く決まるという点ですね。
キーボードの表面を軽くスライドさせただけでキーの中心がすぐにわかるので、ホームポジションや各キーの位置取りが楽です。
さらにもうひとつ。
各キーの表面につや消し加工がされていまして、程よいサラサラ感があるんですよね。
これは、MX Keys miniを開封してキーボードに手を置いて一番最初に感じた高級感でした。
指でキーボードをスライドさせたときの、つや消し加工の程よい抵抗感が絶妙なんです。
もし実機にふれる機会がありましたら、ぜひ体験してみてください。
ミニキーボードなのにキーピッチはフルキーボード並み
先のスペック表にありますとおり、MX Keys miniのキーピッチはフルキーボード並みの1.9mmです。
私は、ミニキーボードというのは、本体サイズを優先にして各キーサイズを小さくすることで本体サイズをコンパクトにしている商品と思っていました。
サイズを優先して、多少打ちにくくてもミニキーボードだから、と割り切って使うイメージです。
でも、MX Keys miniは違います。
本体サイズはコンパクトでも、小ささを優先していません。
ミニキーボードとしては本体サイズは若干大きめですが、コンパクトさと打ちやすさをうまく共存させています。
その結果がMX Keys miniのキー配置なんですね。
キーボード本体の適度な重み
MX Keys miniは本体重量が約500gでして、持つとそれなりにズッシリ感があります。
キーボードをご自宅や職場など固定の場所でお使いになる場合は、重さは特に気にならず、逆に軽いものよりも重めの製品の方が安定感があって良いのではと思います。
その意味では、MX Keys miniの重量は絶妙でしょう。重すぎず軽すぎずちょうど良い感じです。
MX Keys miniを出先で使用することをお考えになる場合、現在ミニキーボードを持ち歩いていない方にとりましては、500g増えるのは負担に感じるかもしれません。
でもたぶんMX Keys miniをご検討される方は、既にミニキーボードをお使いの方だと思います。
その場合は500g増えるのではなくて、今お使いのミニキーボードとの差分が増える重量になりますよね。
今まで使っていましたミニキーボードの重さは300g弱でしたので、MX Keys miniは200gほど重たいことになります。
その程度ですので、最近荷物が重たくなったなという感じは全くありません。
200g増えるのが嫌であきらめるか出先でのキーボード作業の快適さ求めるかを比べた場合、私は即答でMX Keys miniを選びます。
キーボード MX Keys miniの機能
MX Keys miniには、基本機能以外にも便利な機能を持っています。
普段から取扱説明書をお読みにならない方は気づかないまま放置になってしまうような機能でも、試しに使ってみると意外に便利だったりするものがあるかもしれません。
本章の見出しだけでもご覧いただけると幸いです。
接続は無線でBluetoothとUSBレシーバー(Logi Bolt(別売))の2方式
MX Keys miniとパソコンやタブレットとの接続は無線で行います。
無線は以下の2種類の方式が可能です。
名称 | 説明 |
---|---|
Bluetooth Low Energy | Bluetooth(ブルートゥース) Low Energyをサ ポートする機器と接続可能 |
USBレシーバー | ロジクールの専用レシーバー(Logi Bolt(別売)) をパソコンのUSB端子に接続して利用 |
USBレシーバーは、ロジクール製のLogi Boltを利用可能です。
既にロジクール製品をお使いの方でしたら、UnifyingレシーバーというUSBレシーバーをご存じかもしれませんが、それとは別です。
ただし、Logi Boltは現在(2022年1月)非常に手に入りにくくなっていますので、実質Bluetooth Low Energy接続キーボードとお考えいただいた方が良いかもしれません。
私はBluetoothがないデスクトップPCのために、BluetoothのUSBアダプターを購入しました。
購入したのは下の製品です。
問題なく使えています。
電源はUSB経由で充電可能なバッテリー
電源は、内蔵バッテリーになります。
充電ケーブルは付属していますので、別途用意する必要はありません。
本体側の形状はUSB-Cです。
キーボードのバックライトを使わなければ、フル充電で最長5ヵ月使えます。バックライトを使いますと最長10日間になるそうです。
バックライトを未使用にしたり、明かりの強さの調整などは、キー操作で簡単に行えます。
後述しますLogicool Optionsで未使用にすることも可能です。
ロジクール製ソフトウエアLogicool Optionsでキーカスタマイズ可能
MX Keys miniは、特定のキーに機能を割り当てることが可能です。特定のキーといいますのは、キーボード最上段にありますキーになります。
上の黄色枠のキーが対象です。
例えば、カスタマイズ対象キーの中でマイクミュートに割り当てられているキーは使わないので、他の機能に割り当てるとします。
その場合は、MX Keys miniの接続先OS上でLogicool Optionsを起動して、対象のキーを選択した後にお好きな機能を割り当てましょう。
割り当てが可能な機能は、キーによって若干異なりますが、以下のようなものを設定することができます。
マイホーム、アプリケーションの起動、スタートメニュー、Cortana、メディアプレーヤー、任意のWebページを開く、Windows設定、アクションセンター、アプリ切り替え、ウインドウ最大化、ウインドウ最小化、ウインドウを閉じる、キーストロークの割当、コピー、シャットダウン、スリープ、デスクトップの表示/非表示、ドキュメントなどのフォルダを開く、プリントスクリーン、右クリックなどのマウス操作、拡大/縮小、電卓を起動、メーラーを起動、・・・
などなど、他にも多数
使いこなせば、結構な工数削減につながるかもしれませんね。
専用キーにて最大3デバイスを切り替えて利用可能
キーボードの左上の方にある3つの切り替えキーに、接続したいパソコンやタブレットを3台まで登録することができます。
登録した後は、お望みのキーを押すだけでMX Keys miniが接続先を切り替えてくれます。
でもこれは、ロジクール以外のメーカーのキーボードでも見かけますので、それほど心に刺さらない方もいらっしゃるでしょう。
MX Keys miniがスゴいのは、3つの切り替えキーに前節で説明した2つの方式の接続や異なるOSのデバイスを混在できることにあります。
例えば、3つのキーを以下のように利用できます。
キー番号 | 対象デバイス | 接続方法 |
---|---|---|
切り替えキー1 | Windowsパソコン | USBレシーバー |
切り替えキー2 | タブレット(android) | Bluetooth |
切り替えキー3 | macOSパソコン | USBレシーバー |
タブレットとのBluetooth接続は、最初はペアリングが必要ですが、次回からは切り替えキーを押せば接続してくれますし、他の切り替えキーを押せばBluetooth接続は解除されます。Bluetooth接続しても、ずっとそのままということはありません。
スマートイルミネーション機能
少し前にも書きましたが、MX Keys miniはバックライトが付いていまして、キーの文字部分とキーの周辺を明るくすることができます。
実際に部屋を真っ暗にしてMX Keys miniを使ってみたところ、明るい部屋と同じ感覚で、キー操作に問題は全くありませんでした。
上の画像は明るさMAXにしました。ちょっと明るすぎましたので、バックライト調節キーを使って暗め(7段階の明るさの下から2段目)にしたらちょうどよかったです。
ロジクール公式サイトの製品紹介ページでは、バックライトが周辺に合わせて自動的に調整される旨の記述があったのですが、その仕様がわからなかったので自動調整機能を確認することはできていません。
暗いところでは、自動的に少し暗めになってくれればうれしいですね。
実のところ、私は暗所での作業は行いませんので、バッテリーを長持ちさせるためにバックライトはOFFにして使っています。
でも、暗いところでも場所を選ばず使える機能があるという安心感がありますので、バックライトは決して無駄ではありません。
キーボード MX Keys miniの使用感・レビュー
MX Keys miniを実際に使用してみた感想などをご紹介させてください。
いつでもどこでも上質なタイピング
今まで使っていましたミニキーボードは、本体重量は300gと軽くて、パンタグラフ式なのでキータッチも悪くはなかったのですが、キーは小さめでキーピッチも狭く、でもミニキーボードだからこんなもんだと半分あきらめて使っていました。
使い始めて2年くらいするとキーが外れてしまい2台目を購入しましたが、それも同じように数年でキーが外れてしまいました。
品質よりもコストやコンパクトさを重視した結果ですね。
2台で7000円くらいの出費です。
もし最初からMX Keys miniを使っていたとしたら、プラス6000円くらいの出費でこんなに上質なタイピングができていたんですよね。
MX Keys miniのメーカー保証は2年間ですが、たぶん大事に使えばかなり長期にわたって使えるのではないでしょうか。
自宅や職場の机ではお気に入りのロジクールのフルキーボードを使っていまして、とても満足しています。
でも、いくら快適になるからといってそのキーボードを出先に持っていこうとは思いません。
MX Keys miniのお陰で、現在は出先でも上質なタイピングができるようになりました。
主要キーの形状に満足
先にお伝えした通り、MX Keys miniのキーピッチはフルキーボード並みで、キー自体も大きめでして、とても打ちやすいです。
でも、すべてのキーを眺めていますと、それだけではないことに気づきます。
Enterキーは大きくて縦長の形状になっています。右Shiftも大きめです。
左Shiftキーも大きいです。
スペースの大きさもちょうど良いでしょう。
このように、一般的に利用頻度の高いキーについても、妥協することなくキチンと作りこまれているところはとても評価できると思います。
キーボード MX Keys miniのメリット・デメリット
MX Keys miniのメリット・デメリットをまとめてみました。
キーボード MX Keys miniのメリット
本製品を利用することで得られるメリットを挙げてみました。
場所を取らない
ミニキーボードですので当たり前のことかもしれませんが、MX Keys miniの場合は、フルキーボードと同じ感覚で使えるのに省スペースという点をメリットに挙げさせていただきました。
省かれているテンキーを出先で使いたければ、別売りのUSBテンキーを使えば良いのですが、出先でそこまでテンキーが必要かと言われれば微妙でしょう。
キーボードがコンパクトになることで、マウスも身体の近くに置けることになります。
これはエルゴノミクス(人間工学)的にも良いことなのだそうです。
キーボード MX Keys miniのデメリット
本製品を利用することで、以前まで利用してきたキーボードと比べたデメリットを挙げてみました。
バッテリーの寿命が心配
電源が電池式ではなくて、バッテリーを採用しています。
大事な時に電池切れを起こして大変な思いをすることが無い安心感はあると思いますが、バッテリーの場合は寿命が気になってしまいます。
バッテリー寿命に関する情報はどこにもありませんでしたので、機会がありましたらロジクール社に問い合わせてみたいと思っています。
本体の寿命と同じくらいだとうれしいのですが。
キーボード単体として考えると高価
現在(2022年1月)のロジクールオンラインストアでの価格は、13,860円(税込)です。
ミニキーボード単体として考えればかなり高価だと思います。
5000円以下でお手頃なワイヤレスのミニキーボードは結構ありますね。
でも入力機器で大事なのは、ずっとストレスなく使い続けられるかだと思いますので、ご自分に合っているとお感じになった方はぜひご検討ください。
通販サイトでも販売しています。以下のリンクからどうぞ。
ちなみに、Amazonの製品ページで確認したところ、ロジクール公式ショップより安かったです。(2022年1月)
ロジクール直販の安心感かAmazonの割安感か、お好きな方でどうぞ。
楽天で確認したところ、楽天市場内にロジクール公式ストアがありまして、価格はロジクールオンラインストアと同じ価格でした。
まとめ
以前使用していた出先用ミニキーボード(国内有名メーカー製)は、「H」キーが取れてしまいまして使い物にならなくなってしまいました。少し前から、キーが妙にグラグラしていましたので、気にはなっていたのですが。
その製品と比べますとMX Keys miniは4倍以上の価格なのですが、バッテリーさえ使えれば一生ものだと思えるくらい高品質だと思います。
出先で作業がある場合は必ず持って行って、大切に扱いながらも使い倒すつもりです。
そんなに良い製品なら自宅でも利用すればよいのでは?と思いますが、自宅ではもっとお気に入りのキーボードを使用しています。
ロジクールのERGO K860 エルゴノミック スプリット キーボードという製品です。
これまで10台以上のキーボードを使用してきて、ダントツトップのキーボードです。
おすすめです!
レビュー記事を作成しておりますので、よろしかったご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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