Dell Inspiron 14 AMDは、ちょうど良い広さの液晶モニターを備えたとてもパワフルなノートパソコンです。
事務系の作業での利用をお考えの方にとりましては、Inspiron 14 AMDのようなCPU性能が良いパソコンですと作業時間が短縮できてとても助かると思います。
そして、一番のおすすめポイントはやはりコスパですね。
初めてノートPCを購入される方にも、ぜひおすすめしたいです。
本レビューで使用する機種の主なスペックは、以下の通りです。
名称 | スペック |
---|---|
CPU | AMD Ryzen5 5625U |
メモリ | 8GB |
グラフィックス | AMD Radeonグラフィックス (CPU内蔵) |
本体重量 | 約1.54kg |
ストレージ | 256GB(NVMe) |
モニターサイズ | 14インチ |
モニター種類 | WVA 1920x1200 |
バッテリー | 14.5時間(JEITA2.0) |
※本記事は、Dell社からお借りした実機を試用した結果に基づいて作成しております。
Inspiron 14 AMDがおすすめな方は?どんな使い方が向いている?
実際に触ってみた感想をふまえまして、どのような方に向いているのか、どのような場面での利用が向いているか考えてみました。
良い点
- パワフルなCPUで多少重めの処理もストレスなくできる
- 搭載CPUの性能から考えると好コスパ
弱い点
- 内蔵メモリがシングルチャネル
- グラフィック機能はCPU内蔵
Inspiron 14 AMDはかなりパワフルなCPUを搭載してますので、負荷のかかる処理でも心配は無用です。
例えば、MS-Officeのワードやエクセル、パワポなどで、重たい文章や資料などを閲覧したり作成したりしても、十分快適に使用できると考えます。
実際にかなりの数のシートに多くの表やグラフを含んだエクセルの編集を行ってみたところ、とてもスムーズに作業することができました。
ただし、グラフィック機能はCPU内蔵のものを使用してますので、高解像度のCGや動画編集、高度なCADなど、クリエイティブな作業は向いていません。
また、デフォルト状態での内蔵メモリはシングルチャネル(物理メモリが1枚で8GB)ですので、様々な作業を一気にやろうとするとパフォーマンスに影響が出がちです。
この辺に関しましては、事務処理作業が多い方やこれからノートパソコンで勉強しようとお考えの方にとりましてはそれほど重要ではありませんので、安心してご検討いただければと思います。
下の表は、パソコンの用途別評価の一覧です。
私なりにInspiron 14 AMDを評価してみました。
各項目3段階(◎、○、△)のアバウトな内容ですので、参考程度にご利用いただければと思います。
用途 | 評価 | ひとこと |
---|---|---|
Web閲覧 | ◎ | |
ネットミーティング | ◎ | |
Office系アプリ | ◎ | |
動画鑑賞 | ◎ | |
画像作成・編集 | ◎ | |
動画編集 | △ | 軽度であれば可能 |
プログラミング | ○ | 高度な技術計算処理などは除く |
オンラインゲーム | △ | 軽度のゲームは可能 |
3DCG・4K編集など | △ |
Inspiron 14 AMDの特徴
CPUはAMD Ryzen5 5625U

「AMD Ryzen5 5625U」は、一般的に標準以上の性能の機種で良く見かけます。
日常的にお使いの方ですと、一般的な画像や動画の編集、デジカメで撮影したRAWファイルの現像などは、ストレスなく快適に行えます。
ビジネスユースの方は、オフィス系アプリでの資料作成、オンライン会議などに、特に制約を受けることなく使用できるでしょう。
本記事の後半で、PCMark10でのベンチマーク結果を掲載しております。まさに普段使いに最適な機種であることが分かると思います。
内蔵メモリ量は標準的

レビュー機は、8GBのメモリを搭載しております。
オフィス系のアプリを使いながらブラウザでネット検索を行うといった使い方でも、快適に使用できるメモリ量だと思います。
将来的にHyper-Vなどの仮想環境をご利用になることをお考えでも、1個程度の仮想マシンでしたら大丈夫でしょう。
もしそれ以上の仮想マシンをご利用になる場合は、16GB以上の内蔵メモリをご検討ください。
16GBになりますと、標準でデュアルチャネル構成(物理メモリが2枚で16GB)になりますので、パフォーマンス的にかなり有利になります。
CPU内蔵のグラフィック機能

Inspiron 14 AMDは、CPUに内蔵されているAMD Radeonグラフィックスを使用しています。
NVIDIAのGeForceシリーズやAMDのRadeonシリーズなどのような外付けのグラフィックボードに比べますと非力ですが、普段使いのノートパソコン用のグラフィック機能としては標準的な性能になります。
デジカメのRAWファイルの現像程度でしたら、ストレスなく作業できます。
ただし、CPUに内蔵されているグラフィック機能はCPUと内蔵メモリを共有しますので、一般的に内蔵メモリは高性能でマルチチャネルのものが推奨されています。
Inspiron 14 AMDの内蔵メモリは、8GB搭載されていますがシングルチャネルです。精密なCGや高度なCADなどグラフィック関係の専門的な作業には向いていないと言えます。
趣味の範囲内でのご利用でしたら、特に不満を感じないと思います。
Inspiron 14 AMDの本体価格から考えてみて、かなり優れたコストパフォーマンスでしょう。
ストレスなく持ち歩ける軽量さ

本体重量は、約1.47kgでした。ほぼ公称値です。
ノートパソコンを購入される場合は、持ち運ぶことを前提にお選びになる方が多いでしょう。
1.5kg以下ですと、一般的には軽量PCの部類に入ります。本体を持ち上げることにストレスを感じることは少ないと思います。
男性でしたら片手で持ち上げられるでしょう。
片手で持ち上げた感じでは、1kg前後の超軽量PCに比べますと初めてのときは多少重さを感じましたが、すぐに慣れると思います。
実際、私の場合は次の日には気にならなくなりました。
自宅から駐車場まで数分ほどノートパソコンを片手で持っていったときも、重いという感じは全くしませんでした。
ちょうど良い広さの14インチ、解像度は1920x1200
メイン機として使用するパソコンを別にお持ちで、セカンド機としてノートパソコンを購入されるのでしたら、14インチノートパソコンをおすすめします。
自宅や拠点に戻れば大画面で快適に作業できるので、出先で使用するノートパソコンの画面は大画面でなくても良いですし、とはいっても13インチだと狭くてストレスになってしまうこともあるでしょう。
感じ方はひとそれぞれですので、もちろん全ての方に当てはまることではありません。
でも、少しでも共感するのでしたら、Inspiron 14 AMDのような14インチモニターのノートパソコンがおすすめです。
また、液晶モニタの解像度は1920x1200ですので、一般的に多い1920x1080の解像度の液晶モニターより少しだけ幅が狭く縦に長くなっています。
これは、縦スクロールすることが多いWeb閲覧やOffice系アプリの資料の閲覧/作成を行う場合に有利です。
高性能な外部モニタ出力

Inspiron 14 AMDは、HDMI経由ですと4K画質(最大4096x2160@24Hz)で出力が可能です。USB経由での出力も可能です。
外部モニターは、ノートパソコンをプライベートでご利用の場合は利用機会は少な目かもしれませんが、ビジネス用途でお使いの場合は利用頻度は結構あると思います。
お客様先で大画面モニターに出力することになった場合、高解像度の出力が可能ですと、大きなモニターだった場合でも、とてもキレイな映像をお見せすることができます。
高性能な外部モニター出力は、スキのないノートパソコンといいたくなる理由のひとつです。
下のスクショは、自室の液晶TV(BRAVIA KJ-49X8500F)にHDMI経由で出力した際の情報です。

高性能なUSB端子を複数搭載

パソコン本体の性能が高くても搭載しているUSB端子の性能がイマイチな場合は、外部機器を接続した際にパソコンのパワーを活かしきれません。
Inspiron 14 AMDは、USB3.2端子が3つ(Type-C 1基、Type-A 2基)搭載されています。
大容量のUSBメモリや外付けストレージと大量データのやり取りを行う際のストレスが大幅に軽減されますし、高解像度の外部モニターを接続して利用するといった使い方も可能です。
高性能な外付け機器を快適に利用するには、ノートパソコン本体が高性能なのはもちろんのこと、外付け機器を接続する端子部分の性能もとても重要です。
Inspiron 14 AMDは、幅広いニーズに応えてくれます。
残業でも心配ないバッテリー容量

ノートパソコンは、電源供給するところが無い場所でバッテリー切れになってしまいますと、どうすることもできなくなってしまいますよね。
大容量バッテリーを搭載している機種は安心できますが、ノートパソコン本体の重量は増えてしまいます。
Inspiron 14 AMDのバッテリー容量は54Wh(※)です。
※メーカー公称値
一般的なノートパソコンとしましては、多めの容量になります。
またType-Cの端子はUSB Power Deliveryに対応していますので、高電力で出力可能なモバイルバッテリーを常備しておくとさらに安心できます。
さらに、スマホなどの充電も可能です。
電源出力は15Wですので高速充電はできませんが、出先でスマホのバッテリー切れでどうしようもないときの非常用としては十分使えますね。

詳しくは、Dell公式サイトでご確認ください。
外観チェック
Inspiron 14 AMDを色々な角度からお見せしたいと思います。
表面はツルツルしていますので触った感じは良いのですが、本体を縦方向に指だけで持ち上げますと滑ってしまうかもしれません。

蓋を開けますと、広めのタッチパッドが最初に目につきます。キーボードのキーピッチは広めでタッチしやすかったです。

モニター上部に、Webカメラが付いています。カメラの上部に手動シャッターのスライドスイッチがあります。

カメラの右の穴はステータスライトで、カメラ使用時に点灯します。
カメラの両脇の穴は、高性能マイクです。

スピーカーは裏面の左右にあります。

電源ボタンは、キーボード上部の一番右にあります。指紋認証リーダー付きです。

端子類は、本体の左右側面にあります。詳細は、後程詳しく説明します。
蓋を開きますと、本体の後ろ部分が少しだけ浮くようになっています。

本体の底面内部にファンが内蔵されていまして、底に空いているスリット部分から吸気するようになっていますので、本体を少し浮かすことで空気を吸い込みやすくしているのだと思います。
ちなみに、底面から吸い込んだ空気は、モニターと本体の間の部分から吐き出すようになっています。

ティッシュを細く切って、実際に空気の流れを確認済みです。
本体のサイズ感
本体の外寸は、以下のとおりです。
横幅は約319mm、奥行きは約230mmでした。ほぼ公称値どおりです。
A4用紙と比べてみました。

厚さは、以下のとおりです。前面と背面の2カ所計測しました。
前面が約17mm、背面が約20mmです。
ディスプレイの詳細
ディスプレイは、WUXGA(1920x1200)の非光沢パネルです。

背後から日差しが差し込んでいる場所でも、この程度の映り込みです。
液晶モニターの表示は、ギラギラした感じはなく見やすかったです。

視野角は、とても広いです。複数の方と一緒に画面を見る場合に都合が良いですね。
でも、のぞき見には十分ご注意ください。

蓋を一番開いた状態です。
通常の使用では、このくらい開けばほとんどの場面で十分だと思います。

詳しくは、Dell公式サイトでご確認ください。
キーボード・タッチパッドについて
キー配列は以下のとおりです。

キーピッチは横19mm、縦18mmでして、標準的なフルキーボードと同程度の幅でした。ゆとりがあって打ちやすく感じました。
キーボード右のEnterキーは、大きくて打ちやすいですね。

キーストロークは、約1.5mmほどでした。

押し込む抵抗感や戻りの反動はシッカリしていまして、グラつき感もなく打ちづらさはありません。
キーボードはバックライトが内蔵されていますので、暗いところでも安心して作業ができます。
上の写真はバックライトON/OFFの2種類撮影したものです。
ライトの明るさは、「F5」キーを押すことによって1段階変えられます。
各種デバイス・端子の動作確認
Inspiron 14 AMDには、以下の端子が付いています。全て本体の左右側面にあります。
端子名 | 個数 | サイド | 備考 |
---|---|---|---|
USB 3.2 Gen1 | 2 | 左右 | Type-A |
USB 3.2 Gen2 | 1 | 向かって左 | Type-C |
HDMI | 1 | 向かって左 | |
SDカードリーダー | 1 | 向かって右 | |
マイクロフォン/ヘッドフォン ジャック | 1 | 向かって右 |
USB 3.2 Gen1(Type-A)
Type-Aが2ポートありますので、1つはマウスに使ったとしても、もう1つ使えます。
有線LANアダプターや外部ストレージなど、有効に利用できそうですね。
USB 3.2 Gen2(Type-C)
すでに解説済みですが、外部機器への電源供給が可能であることを確認しています。
DisplayPortとしても利用可能ですが、確認する環境がありませんでしたので、出力は確認できていません。
通常使用では、HDMIで十分でしょう。
HDMI
HDMIのバージョン1.4のポートです。
4K@30Hzでの出力を確認しました。
SDカードリーダー
サポートしているSDカードは、以下の3つです。
- SD
- SDHC
- SDXC
通常使用で困ることは無いと思います。
マイクロフォン/ヘッドフォン ジャック
マニュアルにはヘッドセットジャックと記載されていましたので、ジャックは4芯だと思われますが、3芯のヘッドホンも使えることを確認しました。
ベンチマーク
PassMark(CPU性能チェック)
本記事のレビュー機のCPU AMD Ryzen5 5625UのPassmarkスコアは、以下のとおりです。
AMD Ryzen5 5625U: 14988 (2023年2月時点)
PassMarkスコアの目安はネットで調べると色々公開されていまして、15000前後の場合は以下のような使い方をするノートパソコンに向いているようです。
- ネット検索
- ネットミーティング
- Office系ソフトの利用
- 動画鑑賞
- 画像編集(3DCGなどのハードな作業以外)
- 動画編集(4K動画などのハードな作業以外)
- 標準的なプログラミング(科学技術計算などのハードな作業以外)
上の内容は、私が実際に使ってみた感触と同レベルです。
標準レベルの使い方でしたら、様々な用途で力を発揮できるでしょう。
同レベルのCPUを挙げておきますので、もし該当するCPUを搭載するノートパソコンを操作する機会があるのでしたら、参考にしてください。
CPU | PassMark | TDP(W) | コア数 | スレッド数 |
---|---|---|---|---|
Intel Core i7-11600H | 15527 | 45 | 6 | 12 |
AMD Ryzen 5 5600U | 15401 | 15 | 6 | 12 |
AMD Ryzen 5 5560U | 15140 | 15 | 6 | 12 |
AMD Ryzen 5 5625U | 14988 | 15 | 6 | 12 |
Intel Core i5-11600T | 14713 | 35 | 6 | 12 |
上記は、それぞれのCPUを搭載したノートパソコンの中で、主要メーカーの公式サイトで良く見かけるものを選びました。
3DMark(グラフィック処理性能チェック)
Inspiron 14 AMDのグラフィックス機能は、CPUに内蔵されておりますAMD Radeon グラフィックスを使用しています。
グラフィック専用チップを搭載しておりませんので、高い数値は望めません。
ですので、参考値としてご利用いただければと思います。


詳細なスコアのグラフィックテストでFPSが1桁ですので、高度な3Dゲームには向かないPCであることがわかります。
FINAL FANTASY XIVベンチマーク
FINAL FANTASY XIV(以下FF14)は、大好きなオンラインゲームのひとつです。FF14で遊ぶときは、自作のデスクトップ機(高品質設定でスコアが13000ほど)を使用しています。
FF14はグラフィック機能が低めのパソコンでも設定次第で十分遊ぶことができる素晴らしいゲームですので、Inspiron 14 AMDでどの程度遊べるのかをベンチマークで調べてみました。
結果は以下のとおりです。
グラフィック設定 | スコア |
---|---|
標準 | 2181 |
高品質 | 1777 |
最高品質 | 1377 |
Inspiron 14 AMDでFF14を遊ぶのは厳しいです。
他のゲームでしたら遊べるものがあるかもしれませんが、ゲーム目的でInspiron 14 AMDを購入すべきではないと考えます。
PCMark10(アプリ実行時の総合的なパフォーマンスチェック)
パソコンとしての使い勝手のレベルを測る際は、PCMarkを使っています。
結果は、以下のとおりです。

グラフィック系のベンチマークでは散々な結果でしたが、アプリケーション系のベンチマークではとても良い結果が出ました。
数値的には、標準以上のスペックであることが分かります。
グラフィック性能を必要としない標準的な使い方でしたら、平均以上のパワーが出せるノートパソコンであるということを示しています。
まとめ
Inspiron 14 AMDのネット上での口コミなどの評価をながめていますと、高性能さやコスパの良さについての意見が目立っていました。
この辺りは、公式サイトのスペック表を見れば想像できることですので想定内でした。
でも、高性能さやコスパの良さと同程度の頻度で、デザインが良い、カッコいい、といった見た目の高評価も多かったんですよね。
これに関してはスペック表を見ただけでは判断できない部分ですので、実機を見るしかありません。
写真で見た感じでは金属っぽい濃い目の銀色を想像していたのですが、予想よりも白に近い銀色でした。全体的にスッキリした筐体で、無駄なものが全くないというイメージですね。
今回Inspiron 14 AMDを見て触って動かして確認してみて、実際に購入された方々の感想がとても良くわかりました。
外出先でも堂々とテーブルの上に置いて使いたくなるし、本体を持って歩くことにも抵抗ないし、普段使いのノートパソコンとして使えなくてイライラする部分もありませんでした。
Inspiron 14 AMDは、ノートパソコンの入門機や事務処理向けのパソコンなど、派手な処理性能を求めない方にとって最適な機種だと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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