IdeaPad Flex 550iは、普段使いはもちろんのこと、事務処理系、画像処理系など様々な用途に利用可能なオールマイティなノートパソコンです。
液晶モニターは14インチ、CPUパワーは高すぎず低すぎず、モニターはタッチパネル、バッテリー駆動時間は10時間以上、本体重量は軽量と、どんな用途でもちょうど良い感じだと思います。
これからノートパソコンで色々なことに挑戦してみたい方には、特におすすめできる機種でしょう。
本レビューで使用する機種の主なスペックは、以下の通りです。
名称 | スペック |
---|---|
CPU | インテルCore i7-1165G7 |
メモリ | 16GB(8GBx2:デュアルチャネル) |
グラフィックス | インテル Iris Xe |
本体重量 | 約1.5kg |
ストレージ | 512GB(NVMe) |
モニターサイズ | 14インチ |
モニター種類 | IPS 1920x1080 タッチパネル |
バッテリー | 14.9時間(JEITA2.0) |
※本記事は、Lenovo社からお借りした実機を試用した結果に基づいて作成しております。
IdeaPad Flex 550iがおすすめな方は?どんな使い方が向いている?
実際に触ってみた感想をふまえまして、どのような方に向いているのか、どのような場面での利用が向いているか考えてみました。
良い点
- 普段使いをする上ではCPUパワーは十分
- 内蔵メモリは16GBでデュアルチャネルなので将来的にも不安なし
弱い点
- 本体重量は2in1パソコンとしてはちょっと重めの約1.5kg
- グラフィック機能はCPU内蔵
搭載CPUのパワーは、趣味で画像編集を行ったり、MS-Officeのワードやエクセルなどで資料を作成・編集を行うなど、普段使いには特にストレスを感じません。
普段からRAW画像データの現像を行うことが多いのですが、実際に行ってみたところ、とても快適にできました。
多めの内蔵メモリ量とデュアルチャネル構成は、普段はそれほどメリットを感じないと思いますが、アプリを多重に起動したり重い処理などを行ったときに力を発揮するでしょう。
ただし、本体重量が1.5kgとギリギリ軽量の部類には入りますが、2in1パソコンとして使うことを考えますと若干重たく感じます。
タブレット的に使う場合は、片手で本体を持って画面操作を行うことが多いと思いますが、片手で持ち続けるのはちょっと辛かったです。
指やタッチペンなどで操作する場合は、本体は机の上に置いて使用した方が良いでしょう。
グラフィック機能はCPU内蔵ですが、インテル Iris Xeはかなり高性能ですので、普段使いレベルの使い方では非力と感じることはあまりないと思います。
内蔵メモリが16GBと多めであることとデュアルチャネルということも、CPU内蔵グラフィック機能にとっては大きなプラスとなっています。
下の表は、パソコンの用途別評価の一覧です。
私なりにIdeaPad Flex 550iを評価してみました。
各項目3段階(◎、○、△)のアバウトな評価ですので、参考程度にご利用いただければと思います。
用途 | 評価 | ひとこと |
---|---|---|
Web閲覧 | ◎ | |
ネットミーティング | ◎ | |
Office系アプリ | ◎ | |
動画鑑賞 | ◎ | |
画像作成・編集 | ◎ | |
動画編集 | △ | 軽度であれば可能 |
プログラミング | ○ | 高度な技術計算処理などは除く |
オンラインゲーム | △ | 軽度のゲームは可能 |
3DCG・4K編集など | △ |
IdeaPad Flex 550iの特徴
CPUはCore i7-1165G7
このクラスのCPUは、一般的に標準以上の性能の機種で良く見かけます。
日常的にお使いの方ですと、通常レベルの画像や動画編集、デジカメで撮影したRAWファイルの現像などは、ストレスなく快適に行えます。
ビジネスユースの方は、オフィス系アプリでの資料作成、オンライン会議などを、特に制約を受けることなく使用できるでしょう。
本記事の後半で、レビュー機で行いましたPCMark10でのベンチマーク結果を掲載しております。まさに普段使いにちょうど良い機種であることが分かると思います。
余裕のある内蔵メモリ量
レビュー機は、16GBのメモリを搭載しています。
オフィス系のアプリを使うだけ、動画を見るだけなど、同時に他のアプリを動かさない使い方でしたら8GB搭載機でも良いと思います。
でも、動画を見ながら、Excelで計算しつつ、Powerポイントで資料を作成するなど、複数のタスクを同時に行うことをお考えでしたら、本機のように、16GB以上のメモリを搭載しているノートパソコンが良いです。
メモリは多く搭載すれば良いというものではありませんが、可能でしたら多少余裕を持たせた方が、スペック不足で使い物にならなくなるまでの時期を先延ばしできるというメリットもあります。
CPU内蔵のグラフィック機能
インテルのIris Xe グラフィックスは、CPUに内蔵されているグラフィック機能です。
NVIDIAのGeForceシリーズやAMDのRadeonシリーズなどのような外付けのグラフィックボードに比べますと非力ですが、普段使いのノートパソコン用のグラフィック機能としては上位の性能になります。
デジカメのRAWファイルの現像や編集などでしたら、ストレスを感じることなく作業できます。
FPSが命のハードなオンラインゲームや3DCG、4K動画編集などを目的としないのであれば、Iris Xe グラフィックスはおすすめです。
ただし、CPUに内蔵されているグラフィック機能はCPUと内蔵メモリを共有しますので、内蔵メモリは高性能でマルチチャネルのものが推奨されています。
IdeaPad Flex 550iの内蔵メモリは、高速メモリを16GBを搭載しており、さらにデュアルチャネルですのでご安心ください。
ストレスなく持ち歩ける軽量さ
本体重量は、約1.49kgでした。ほぼ公称値です。
ノートパソコンを購入される場合は、持ち運ぶことを前提にお選びになる方が多いと思います。
1.5kg前後の重さですと、中には重たさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。
でも、本体を持ち上げることにストレスを感じることは少ないでしょう。
男性でしたら、片手で比較的容易に持ち上げることができるのではと思います。
ゲーミングノートパソコンなどのように2kgを超える重い機種ですと、持ち上げることが面倒になってきます。
ちょうど良い広さの14インチ、解像度は1920x1080
メイン機として使用するパソコンを別にお持ちで、セカンド機としてノートパソコンを購入されるのでしたら、14インチノートパソコンをおすすめします。
自宅や拠点に戻れば大画面で快適に作業できるので、出先で使用するノートパソコンの画面は大画面でなくても良いですし、とはいっても13インチだと狭くてストレスになってしまうと思います。
感じ方はひとそれぞれですので、もちろん全ての方に当てはまることではありません。
でも、少しでも共感するのでしたら、IdeaPad Flex 550iのような14インチモニターのノートパソコンがおすすめです。
モニターに関しましては、下の方でもう少し詳しく説明しております。
高性能な外部モニタ出力
IdeaPad Flex 550iは、HDMI経由ですと4K画質(3840x2160)の高解像度でのモニター出力が可能です。
外部モニターは、ノートパソコンをプライベートでご利用の場合は利用機会は少な目かもしれませんが、ビジネス用途でお使いの場合は利用頻度は結構あると思います。
お客様先で大画面モニターに出力することになった場合、高解像度の出力が可能ですと、大きなモニターだったとしてもとてもキレイな映像をお見せすることができます。
高性能な外部モニター出力は、オールマイティーなノートパソコンといいたくなる理由のひとつです。
下のスクショは、自室の液晶TV(BRAVIA KJ-49X8500F)にHDMI経由で出力した際の情報です。
高性能なUSB端子を複数搭載
パソコン本体の性能が高くても搭載しているUSB端子の性能がイマイチな場合は、外部機器を接続した際にパソコンのパワーを活かしきれません。
IdeaPad Flex 550iはUSB3の端子が3つ搭載されていまして、条件(接続ケーブルや接続対象機器の規格)が合えばギガの世界での通信が可能になります。
大容量のUSBメモリや外付けストレージと大量データのやり取りを行う際のストレスが大幅に軽減されますし、超高解像度の外部モニターを接続して利用することができるようになります。
Type-Cが1つ、Type-Aが2つありますので、様々な場面に柔軟に対応できるでしょう。
残業でも心配ないバッテリー容量
ノートパソコンは、電源供給するところが無い場所でバッテリー切れになってしまいますと、どうすることもできなくなってしまいますよね。
大容量バッテリーを搭載している機種は安心できますが、ノートパソコン本体の重量は増えてしまいます。
IdeaPad Flex 550iは、軽量PCですがバッテリーは14時間以上(※)もちます。
※Core i7CPU搭載モデルの場合(メーカー公表値)
朝の時点で満充電状態ですと、多少作業が長引いても夜まで大丈夫ですね。
またUSB Power Deliveryに対応していますので、高電力で出力可能なモバイルバッテリーを常備しておくとさらに安心できます。
2in1ノートパソコン
IdeaPad Flex 550iは2in1機種でして、普通にノートパソコンとしても、本体の液晶モニターをグルっと360度回してタブレットとしても使うことができます。
付属のペンを利用して、お絵描きや簡単なメモを取ることも可能です。
液晶モニターは360度どの角度でも利用可能ですので、自由度がかなり高いと思います。
上の方でも書いていますが、本体重量が約1.5kgですので、片手で長時間持つのはちょっと辛いです。
外観チェック
IdeaPad Flex 550iを色々な角度からお見せしたいと思います。
表面はサラサラしていまして、適度な抵抗感があります。とはいいましても、滑り止めになる感じではありません。
蓋を開けました。キーボードの両サイドにスピーカーが見えます。
キーピッチはフルキーボード並みで、タッチしやすかったです。
モニター上部に、Webカメラが付いています。カメラの上部に手動シャッターのスライドスイッチがあります。スライドスイッチは細めで固くて、スライドするのにちょっと力が必要でした。
電源ボタンは、向かって右側面にあります。
キーボードの右下には、指紋認証リーダー(赤矢印部分)があります。
端子類は、本体の左右側面にあります。詳細は、後程詳しく説明します。
本体後部の複数の穴は、冷却ファンの吐き出し口です。
ティッシュを細く切って、実際に空気の流れを確認しました。
サイズ感
本体の外寸は、以下のとおりです。
横幅は約321mm、奥行きは約218mmでした。ほぼ公称値どおりです。
A4用紙と比べてみました。
厚さは、以下のとおりです。前面と背面の2カ所計測しました。
前面が約19mm、背面が約22mmです。
ディスプレイの詳細
ディスプレイは、1920x1080の光沢パネルです。
光沢パネルは色鮮やかです。
でも、背景の映り込みがありますので、好き嫌いがありますね。
画面が明るく表示されている場合は分かりませんが、電源OFFのときや暗めの映像のときには普通に映り込みます。
視野角は、とても広いです。複数の方と一緒に画面を見る場合に都合が良いですね。
でも、のぞき見には十分ご注意ください。
蓋は360度開きますので、用紙感覚で資料などを複数の人と見ることができます。
180度開いたところです。
テント型に開いてみました。
このようにも使えます。
360度回転して大型タブレット化してみました。
液晶モニターを180度以上開きますとキーボードが自動でロックされまして、キーを押しても入力されなくなります。
キーボード・タッチパッドについて
キー配列は以下のとおりです。
キーピッチは19mmでして、標準的なフルキーボードと同程度の幅でした。ゆとりがあって打ちやすいです。
キーストロークは、約1.5mmほどでした。キーを最大に押し込んだ時に本体表面より少しだけ押し込んだ感じになりますので、キーの出っ張り部分+αがストロークの長さです。
標準的なパンタグラフのフルキーボードと比べますと若干浅めですが、押し込む抵抗感や戻りの反動はシッカリしていまして、グラつき感もなく打ちづらさはありませんでした。
各種端子の説明
IdeaPad Flex 550iには、以下の端子が付いています。全て本体の左右側面にあります。
端子名 | 個数 | サイド | 備考 |
---|---|---|---|
USB 3.1 Type-C | 1 | 向かって左 | 下画像内② |
USB 3.1 Type-A | 2 | 向かって右 | 下画像内⑤ |
SDカードリーダー | 1 | 向かって右 | 下画像内④ |
HDMI | 1 | 向かって左 | 下画像内① |
マイクロフォン/ヘッドフォン コンボ・ジャック | 1 | 向かって右 | 下画像内③ |
USB 3.1 Type-C
Power Deliveryに対応したUSB3のType-C端子です。
データの受け渡しはもちろんのこと、電源の受給電も可能ですので、とても便利な端子です。
USB 3.1 Type-A
2つのType-A端子の右側のほうは、ノートパソコンの電源が切れている場合でも他デバイスへの電電源供給が可能なAlways On機能付きです。
SDカードリーダー
SD、SDHC、SDXC、MultiMediaCard(MMC)の4規格をサポートしたカードリーダーです。
HDMI
上のほうで説明済みですが、外部モニターへの4K出力が可能な端子です。
ユーザーガイドによりますと、HDMIのバージョンは1.4bと記載されていました。
Novoスイッチ
本体の電源がOFFの際に押しますと、UEFI/BIOSメニューを表示させることができます。
スイッチを押すには、細いピンなどを使用する必要があります。
ベンチマーク
PassMark(CPU性能チェック)
本記事のレビュー機のCPU Intel Core i7-1165G7のPassmarkスコアは、以下のとおりです。
PassMarkスコアの目安はネットで調べると色々公開されていまして、10000前後の場合は以下のような使い方をするノートパソコンに向いているようです。
- ネット検索
- ネットミーティング
- Office系ソフトの利用
- 動画鑑賞
- 画像編集(3DCGなどのハードな作業以外)
- 動画編集(4K動画などのハードな作業以外)
- 標準的なプログラミング(科学技術計算などのハードな作業以外)
上の内容は、私が実際に使ってみた感触と同レベルです。
標準レベルの使い方でしたら、様々な用途で力を発揮できるでしょう。
同レベルのCPUを挙げておきますので、もし該当するCPUを搭載するノートパソコンを操作する機会があるのでしたら、参考にしてください。
CPU | PassMark | コア数 | スレッド数 |
---|---|---|---|
Intel Core i5-1230U | 10859 | 10 | 12 |
Intel Core i7-1185G7 | 10632 | 4 | 8 |
Intel Core i7-1165G7 | 10418 | 4 | 8 |
Intel Core i5-1155G7 | 10293 | 4 | 8 |
Intel Core i5-1135G7 | 9980 | 4 | 8 |
上記は、それぞれのCPUを搭載したノートパソコンの中で、主要メーカーの公式サイトで良く見かけるものを選びました。
3DMark(グラフィック処理性能チェック)
IdeaPad Flex 550iのグラフィックス機能は、CPUに内蔵されておりますインテル Iris Xe グラフィックスを使用しています。
グラフィック専用チップを搭載しておりませんので、高い数値は望めません。
ですので、参考値としてご利用いただければと思います。
詳細なスコアのグラフィックテストでFPSが1桁ですので、3Dゲームには向かないPCであることがわかります。
FINAL FANTASY XIVベンチマーク
FINAL FANTASY XIV(以下FF14)は、大好きなオンラインゲームのひとつです。FF14で遊ぶときは、自作のデスクトップ機(高品質設定でスコアが13000ほど)を使用しています。
FF14はグラフィック機能が低めのパソコンでも設定次第で十分遊ぶことができる素晴らしいゲームですので、IdeaPad Flex 550iでどの程度遊べるのかをベンチマークで調べてみました。
結果は以下のとおりです。
グラフィック設定 | スコア |
---|---|
標準 | 4013 |
高品質 | 3255 |
最高品質 | 2527 |
画質を落とせばなんとか遊べそうですが、おすすめはしません。
PCMark10(アプリ実行時の総合的なパフォーマンスチェック)
パソコンとしての使い勝手のレベルを測る際は、PCMarkを使っています。
結果は、以下のとおりです。
グラフィック系のベンチマークでは散々な結果でしたが、アプリケーション系のベンチマークではとても良い結果が出ました。
数値的には、標準以上のスペックであることが分かります。
グラフィック性能を必要としない標準的な使い方でしたら、平均以上のパワーが出せるノートパソコンであるということを示しています。
まとめ
IdeaPad Flex 550iを試用してみたかった一番の理由は、タッチパネルを使ってみたかったからです。
これまで触ったことのあるタッチパネルのデバイスは、8インチのタブレットが一番大きかったのですが、もっと広い画面でもタッチできたほうが便利なのかなあと、ずっと気になっていたんですよね。
今回タッチパネルを使ってみて感じたのは、グラフィック系のクリエイターの方は操作しやすいし効率もアップするだろうなあという点です。
子供さんのお絵かき用としても、良いだろうなあと思いました。ただし、汚されたり壊されたりすることを考えますと、タブレットのほうが良いかもしれません。
自分的に思ったのは、サッとウインドウを閉じたり移動したり、画面上のボタンをサッと押したりできるのはとても便利という点ですね。
長文の入力は、コピーや追加、削除などの編集作業が発生しますので、キーボードのほうが良いと思いました。
やはりどんな道具でも、便利そうだなあと感じたら直ぐに手を出すのではなく、一番大事なポイントを認識してからじっくり検討したほうがいいなあと改めて感じました。
なお、今回ご紹介しましたIdeaPad Flex 550iは、すでに新しいモデルの置き換わっています。
現在(2023年3月時点)の最新型は、IdeaPad Flex5 Gen8です。
CPUはAMD製で、性能はかなりパワーアップしています。本体価格は、若干安くなっていました。
気になる方は、ぜひLenovo公式サイトでご確認ください。
※リンク先の機種はRyzen5のCPUを搭載した機種になります
最後までお読みいただきありがとうございました!
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