Scratch3.0入門 「制御」の「すべてを止める」ブロック 使い方を実例付きで解説

すべてを止めるブロックの解説

 本記事では、Scratch(スクラッチ)3.0で使える「制御」カテゴリの「すべてを止める」ブロックを実例付きで分かりやすく解説しております。

 「すべてを止める」ブロックは、指定したスクリプト(プログラム)を止めるためのものです。

 以下でもっと具体的に解説します。

※このブロックは固定の文言が無くプルダウンメニューのみのブロックですが、便宜上「すべてを止める」ブロックと呼ばせていただきます。

 Scratch(スクラッチ)のプログラミングを学ぶ上で、個々のブロックの本質を理解することはとても大事なことだと考えます。

 お役に立てれば幸いです。

 Scratch(スクラッチ)の基本的なことや全般的な内容に関しましては以下の別記事をご覧ください。

「制御」の「すべてを止める」ブロック 形状とオプション(Scratch3.0)

 本記事で解説しますブロックの形状と指定可能なオプションについて説明させてください。

ブロックの形状

 ブロックの形状はスタックブロックとキャップブロックの2種類あります。

 ブロックの設定で形状が変わるレアなブロックです。

 「すべてを止める」と「このスクリプトを止める」の場合はキャップブロックになります。

 プログラムを停止する場合などに使用します。

 「スプライトの他のスクリプトを止める」の場合はスタックブロックになります。

 ブロックの上下に色んなブロックを重ねられます。

指定可能なオプション

 以下の値を指定できます。

指定する場所
(←赤枠部分)
入力方法
プルダウンメニュー
指定する内容
「すべてを止める」「このスクリプトを止める」
「スプライトの他のスクリプトを止める」
単位
なし
入力する文字種
メニューから選択
備考
特記無し

「制御」の「すべてを止める」ブロックの解説(Scratch3.0)

 本記事で解説する内容や押さえておきたいポイントは以下のとおりです。

  1.  「すべてを止める」ブロックで可能な3つの設定の解説
  2.  「このスクリプトを止める」の動きを試してみる
  3.  「すべてを止める」の動きを試してみる
  4.  「スプライトの他のスクリプトを止める」の動きを試してみる

 具体的な使い方を実例をまじえて解説します。

「すべてを止める」ブロックで可能な3つの設定の解説

 解説を始める前に、Scratch(スクラッチ)のプログラム(スクリプト)について説明させてください。

 Scratch(スクラッチ)はブロックを使ってプログラムを作っていきます。

 いくつものブロックを重ね合わせることによって、あなたが作りたいプログラムができあがります。

 簡単なプログラムですと1つのブロックの固まりで十分だったりしますが、複雑になってきますと複数のブロックの固まりを作ることになるでしょう。

 このブロックの固まりのことをスクリプトといいます。

スクリプト(プログラム)とは

 では「すべてを止める」ブロックの解説に入らせていただきます。

「すべてを止める」について

 プルダウンメニューから「すべてを止める」を選択したブロックについて説明します。

 このブロックが実行されますと、作成しました全てのスクリプトの処理が止まります。

 つまりプログラム全体が停止するということです。

すべてを止めるの動き

 これはステージ上部にあります赤丸ボタンを押した場合と同じです。

「このスクリプトを止める」について

 プルダウンメニューから「このスクリプトを止める」を選択したブロックについて説明します。

 このブロックが実行されますと、そのブロックがあるスクリプトだけが止まります。

このスクリプトを止めるブロックの動き

 他のスクリプトは動いたままです。

「スプライトの他のスクリプトを止める」について

 プルダウンメニューから「スプライトの他のスクリプトを止める」を選択したブロックについて説明します。

 このブロックが実行されますと、そのブロックがあるスクリプト以外のスクリプトが全て止まります。

スプライトの他のスクリプトを止めるブロックの動き

 ただし、複数のスプライトを使用している場合、他のスプライト内のスクリプトは対象外となります。

 説明だけでは理解しづらいと思いますので、実際にプログラムを作って試してみましょう。

「すべてを止める」の動きを試してみる

 下のプログラムは2つのブロックの固まり(スクリプト)からできています。

すべてを止めるの実例

 ステージ上部の緑旗アイコンを押しますと、まずは向かって左側のスクリプト(以下、スクリプトAと呼びます)が動きます。

 ネコが「ニャーニャー」泣き始めて、「下向きの矢印」キーが押されたら「すべてを止める」ブロックが全体のプログラムを止めます。

 また、スクリプトAが送った「メッセージ1」によって、向かって右側のスクリプト(以下、スクリプトBと呼びます)も動いていまして、ネコが時計回りにグルグル回転します。

 実際に作成してみてください。

 緑旗ボタンを押しますと、ステージ内のネコがグルグル回りながら「ニャーニャー」泣き始めます。

 キーボードの下向き矢印を押しますとネコの鳴き声も回転も止まります。

 キーをポンと押しただけでは止まらない場合があります。その場合は数秒押しっぱなしにして下さい。

「このスクリプトを止める」の動きを試してみる

 次に「このスクリプトを止める」ブロックを使ってみます。

 プログラムは前節と同じものを使いましょう。

 プルダウンメニューを開いて「すべてを止める」を「このスクリプトを止める」に変更してください。

このスクリプトを止めるブロックの実例

 変更しましたら、前節と同じように緑旗ボタンでプログラムを動かします。

 ネコがグルグル回りながら「ニャーニャー」泣き始めましたら、下向き矢印キーを押してみてください。

 「ニャーニャー」という鳴き声は消えましたが、グルグル回転しているのはそのままですね。

 「このスクリプトを止める」の「このスクリプト」とは、「このスクリプトを止める」ブロックがあるスクリプトを指しています。

 ですので、スクリプトAのみが止まってスクリプトBは止まらなかったわけです。

 ステージ上部の赤丸ボタンを押しますと全てのプログラムが止まります。

「スプライトの他のスクリプトを止める」の動きを試してみる

 前節までに使用したプログラムにもうひとつスクリプトを追加して試してみようと思います。

 まずスプライトをひとつ追加してください。

 なんでもよいのですが、私は熊(Bear)を追加してみました。

 スプライトエリアで熊(Bear)スプライトを選択した後、スクリプトエリアに以下のスクリプトを作ってください。

追加した熊スプライトのスクリプト

 さらに前節で使用したスクリプトAに以下のとおりブロックを追加します。

 「このスクリプトを止める」はプルダウンメニューで「スプライトの他のスクリプトを止める」に変更してください。

スプライトの他のスクリプトを止めるブロックの実例

※「熊動け!」メッセージの作り方は別記事「Scratch3.0入門 「イベント」の「◇を受け取ったとき」「◇を送る」「◇を送って待つ」ブロック」をご覧ください。

 緑旗ボタンを押しますと、ネコはニャーニャー言いながら時計回りに、熊は反時計回りに回り出します。

 その状態で下向き矢印を押してみてください。

 ネコはニャーニャー言ってますが、回転は止まりました。熊は回り続けています。

 このプログラムの動きによってわかることは、「スプライトの他のスクリプトを止める」ブロックがありますスクリプトAは停止せずに、他のスクリプトであるスクリプトBが停止しました。

 その結果としてネコの回転が止まったわけです。

 でも熊スプライトの回転は止まりませんでした。

 これは、「スプライトの他のスクリプトを止める」ブロックが止められるのは、そのブロックが置いてあるネコスプライトのスクリプトだけだからです。

 熊スプライト内のスクリプトは停止できないわけです。

 ステージ上部の赤丸ボタンを押しますと全てのプログラムが止まります。

まとめ

 スプライトに動きを与えてあげますと印象がガラッと変わります。

 動きカテゴリのブロックの使い方を理解して楽しいプログラムを作ってみましょう!

 本サイトでは他にもScratch(スクラッチ)に関する記事を公開しております。

 よろしかったらご利用ください。

 最後までお読みいただきありがとうございました!

(参考)

Japanese Scratch-Wiki 公式サイト

困ったときはいつもこのサイトを参照しています

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