本記事はDocker ver24.0.7の環境で確認しています。
このコマンドは、Dockerネットワークの詳細情報を確認する際に使用します。
ネットワーク名や使用ドライバ(ネットワーク機能モジュール)、そのネットワークに接続されているコンテナ情報など、対象ネットワークに関する多彩な情報を確認することが可能です。
dockerネットワークに関しましては、別記事「Dockerネットワークの概要とその作り方の解説」をご参照ください。
docker network inspectコマンドのフォーマットとオプション
フォーマット
docker network inspect [オプション] ネットワーク [ネットワーク] ...
主なオプション一覧
オプション | 概説 |
---|---|
-f, --format=[] | goテンプレートで指定したフォーマットで表示 |
コマンド例
$ docker network inspect testnet1
docker network inspectコマンドの主な使い方
以下で実例をまじえたコマンドの使い方を解説していきたいと思います。
基本事項の解説
docker network inspectコマンドは、個々のDockerネットワークの詳細情報を確認する際に利用します。
Dockerネットワークの各種管理を行う場合は必須のコマンドと言っていいでしょう。
ネットワークアドレスや、対象のDockerネットワークに属するコンテナを確認することもできます。
指定したDockerネットワークの詳細情報を出力する
docker network inspectコマンドでDockerネットワークを指定しますと、そのネットワークの詳細情報が出力されます。
以下のコマンドでネットワークtestnet1を作成しましょう。
$ docker network create -d bridge testnet1
このネットワークの詳細情報をdocker network inspectコマンドで出力してみます。
$ docker network inspect testnet1
以下の内容が表示されました。
[
{
"Name": "testnet1",
"Id": "499f147e44103926118a9ba26850b823643253dd5c5a40bea6540c14e1f8df62",
"Created": "2017-03-08T21:29:16.664456487+09:00",
"Scope": "local",
"Driver": "bridge",
"EnableIPv6": false,
"IPAM": {
"Driver": "default",
"Options": {},
"Config": [
{
"Subnet": "172.18.0.0/16",
"Gateway": "172.18.0.1"
}
]
},
"Internal": false,
"Attachable": false,
"Ingress": false,
"ConfigFrom": {
"Network": ""
},
"ConfigOnly": false,
"Containers": {},
"Options": {},
"Labels": {}
}
]
主な設定情報について解説します。
Name
ネットワーク名です。
docker network createコマンドで作成した際に指定した名前が出力されます。
Id
ネットワークIDです。ネットワークが作成されますと、Dockerが自動的にIDを付与します。
docker network lsコマンドで一覧を表示した場合は、デフォルトでこのIDの先頭12文字が表示されます。
$ docker network ls
NETWORK ID NAME DRIVER SCOPE
3abe6d83703c bridge bridge local
8a9d400abb35 host host local
9b510d65ac45 none null local
499f147e4410 testnet1 bridge local
Driver
ネットワークが使用するドライバが出力されます。
Dockerホストのnicとブリッジ接続を行うための「bridge」、他のDockerホスト間でDockerネットワークを構築可能な「overlay」などが良く使われます。
IPAMカテゴリ内のConfig
ネットワークのサブネットやゲートウェイなどが出力されます。
docker network lsコマンドで指定したネットワークに接続されたコンテナのIPアドレスは、デフォルトでは、この情報を基に設定されます。
Containers
ネットワークに接続されているコンテナの情報が出力されます。
コンテナの情報としては、各コンテナの名前やIPアドレスなどが含まれます。
Labels
ネットワーク作成時に、オプションでラベルと値の対を設定できます。
ラベルは、docker network lsでネットワークの一覧を表示する際、出力内容をフィルタリングする際に利用することができます。
おわりに
以上でdocker network inspectコマンドの紹介を終わります。
ご指摘、ご要望などが御座いましたらコメントいただけるとうれしいです。
他のDockerコマンドの実例付紹介記事は、本サイト内の別記事「Dockerのコマンドの一覧(オリジナルな実例付き)」をご参照ください。
ご訪問ありがとうございました。
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