本記事はCentOS 7.2へのDocker 1.12のインストール手順です。
最新のDockerのインストール手順は別記事「CentOS7へのDockerのインストール(Docker CE版)」をご覧ください。
以下の記事はCentOSへの旧バージョンのDockerインストール手順として掲載いたします。
今回はDocker 1.12のインストールについてです。
Docker 1.12は現状(2016年8月)では以下のOS上にインストールが可能となってます。
OS | バージョン | 備考 |
---|---|---|
Linux | kernel 3.10以上 | |
Windows | 7以上 | Hyper-V必須 Docker本体はHyper-V上の仮想Linux内に存在する |
Mac OS X | 10.8以上 | Docker本体はVirtualBox上の仮想Linux内に存在する VirtualBoxはDockerインストーラに同梱 |
Dockerのインストール作業項目
インストールは以下の流れで行います。
- Dockerホストマシンの動作条件の確認
- Dockerホストマシンのセットアップ
- Dockerインストール
- Dockerの起動/停止/再起動
- Dockerの自動起動
- 動作確認
- Docker管理ユーザのセットアップ
1.Dockerホストマシンの動作条件の確認
Docker本家サイトによりますと、CentOSのDocker 1.12の稼働要件は以下の通りでした。
項目 | 条件 |
---|---|
カーネルバージョン | 3.10以上 |
CentOS | 64bit版 |
OSバージョン | CentOS 7以上 |
本記事では、CentOS 7.2 (kernel 3.10.0)を使用してインストールを進めることにします。
2.Dockerホストマシンのセットアップ
私が行った、DockerをインストールするホストOSのインストール時の主な設定内容は以下の通りです。
項目 | 内容 | 説明 |
---|---|---|
OS | CentOS 7.2.1511 | Kerner 3.10.0 |
パーティション | /boot→500MB /(ルート)→2GB以上 swap→物理メモリに応じて /var/lib/docker→残り全部 | /var/lib/dockerには、Dockerの リソース(イメージファイル、仮 想Diskファイル、など)が全て置 かれるため、パーティションを分 けたほうが運用的に良い |
ソフトウエア | 最小限のインストール | |
追加パッケージ | perl ftp bridge-utils net-tools |
3.Dockerインストール
インストールはDocker公式サイトに従い、以下のコマンドにて行います。
※以下の作業はroot権限にて行う必要があります。
# curl -sSL https://get.docker.com/ | sh
もしくは
# wget -qO- https://get.docker.com/ | sh
上記コマンドでは、Docker本家サイトからDockerのインストーラを実行するためのシェルスクリプトをダウンロードして、それを実行するということが行われます。
※curlやwgetコマンドがインストールされていない場合は、「yum install」コマンドなどでインストールしてください。
4.Dockerの起動/停止/再起動
※以下の作業はroot権限にて行う必要があります。
Dockerのインストールが完了しましたら、以下のコマンドにてDockerデーモンを起動します。
# systemctl start docker
起動後に、以下のコマンドにて正常に起動されているか確認します。
# systemctl status docker
正常に起動された場合は以下のように出力されます。
● docker.service - Docker Application Container Engine
Loaded: loaded (/usr/lib/systemd/system/docker.service; disabled; vendor preset: disabled)
Drop-In: /etc/systemd/system/docker.service.d
┗ docker.conf
Active: active (running) since 火 2016-07-12 11:29:27 JST; 3 days ago
<<以下略>>
「active (running)」の部分を確認してください。
Dockerを停止する場合は以下のコマンドを実行します。
# systemctl stop docker
Dockerを再起動する場合は以下のコマンドを実行します。
# systemctl restart docker
5.Dockerの自動起動
Dockerの初期設定では、OS起動時にDockerは自動起動されません。
自動起動させたい場合は、以下のコマンドで自動起動をするように設定してください。
# systemctl enable docker
念のため、以下のコマンドで自動起動する設定になっているか確認しましょう。
# systemctl status dockerb
自動起動するように設定された場合は以下のように出力されます。
2行目の「/usr/lib/systemd/system/docker.service」の次が「enabled;」になっていれば大丈夫です。
● docker.service - Docker Application Container Engine
Loaded: loaded (/usr/lib/systemd/system/docker.service; enabled; vendor preset: disabled)
Drop-In: /etc/systemd/system/docker.service.d
┗ docker.conf
<<以下略>>
自動起動をやめる場合には、以下のコマンドを実行してください。
# systemctl disable docker
6.動作確認
Dockerを起動させた状態で、以下のコマンドを実行してください。
# docker images
これは、Dockerホストに格納されている利用可能なDockerイメージの一覧を表示するコマンドです。
Dockerをインストールした直後の状態ですと、ヘッダーのみでなにも表示されません。
動作確認のためにDockerHubからCentOSのDockerイメージを入手してみましょう。
以下のコマンドを実行してください。
# docker pull centos
以下のような内容が出力されたと思います。
これは、最新版のCentOSのイメージのダウンロードが正常終了したことを示してます。
Using default tag: latest
latest: Pulling from library/centos
0653bff3c5cf: Pull complete
Digest: sha256:81e4f2f663eaa1bf46ff9be348396dd7053734b257ef4147d7133d6f25bbf7cf
Status: Downloaded newer image for centos:latest
再度「docker images」コマンドを実行します。
# docker images
REPOSITORY TAG IMAGE ID CREATED SIZE
centos latest 05188b417f30 2 weeks ago 196.8 MB
今度は、なにか1つ表示されたと思います。これが、公式のCentOSのDockerイメージになります。
7.Docker管理ユーザのセットアップ
デフォルトではDockerコマンド(「docker images」など)の実行には、root権限が必要です。
しかしDockerコマンドは、許可した一般ユーザに実行権限を付与することができます。
以下のコマンドで、OSのグループ一覧を出力してください。
# cat /etc/group
その中に「docker」グループがあると思います。
この「docker」グループに所属するユーザは、Dockerの管理ユーザとして、「docker」コマンドを使うことが可能となります。
例えば、「admin」というユーザがあったとします。
そのユーザでログインし、「docker images」コマンドを実行しても、以下のような内容が出力され、Dockerデーモンとのやりとりが出来ません。
Cannot connect to the Docker daemon. Is the docker daemon running on this host?
そこで、以下のコマンドを実行し、「admin」ユーザを「docker」グループに所属させます。
# gpasswd -a admin docker
以下のコマンドで、dockerグループに所属しているか確認します。
# id admin
所属していることが確認できましたら、adminユーザでログインし、「docker images」コマンドを実行してください。
今度はイメージのリストが表示されたと思います。
もし、表示されない場合は、一旦ターミナルを終了させて、再度ログオンした後、試してください。
さいごに
CentOSへのDockerのインストールは、とても簡単にできることがお分かりになったと思います。
UbuntuにもDockerをインストールしたことがありますが、同様の手順で簡単でした。
Dockerは他の仮想化ソフトと比較して規模が小さく、お手軽に始めることができます。
検証サーバをお持ちでしたら、ぜひご利用いただいてお試しになることをオススメします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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