防災の対策マニュアル「第五回 自助-災害に備えるために本当に必要な防災用品やグッズ、備蓄品 Part2」

いろいろな防災グッズ

 前回に引き続き、今回も災害に備えるために本当に必要な防災用品やグッズ、安全対策について考えてみようと思います。

 前回は、災害が発生してから避難するまでの間に必要になると考えられる防災用品やグッズ、備蓄品について書かせていただきました。

 今回は、避難所、または在宅(自宅)避難時の持出品や備蓄品などの防災用品について考えていきます。

 災害を無事乗り切る可能性を少しでも高めるためには、なんといっても事前の準備が大切になってきます。

 本記事では、災害発生時や避難時、避難所の行動や注意点を振り返りながら、それぞれのポイントでどのような事前準備を行えば良いかについて考えていきたいと思います。

 また、どのくらいの量を備蓄するかという課題や、それぞれの品物の品質もかなり重要な課題です。

 安いものを買ってしまうと、結局すぐ壊れて使えなかったり、使いたい機能の使い勝手が悪かったりということが多々あるそうです。

 本記事で、最善の選択について考えていければ幸いです。

避難所、または在宅(自宅)避難時の防災用品やグッズ(持出品や備蓄品)

 持出品や備蓄品の量ですが、基本的には3日分はあった方が良いと言われてます。

 在宅避難用の場合は、被災状況が落ち着いて、公的な配給品が安定してくるまでに必要な分の備蓄という考えです。

 今後発生することが予想されている南海トラフ巨大地震に関する国の防災会議では、1週間以上の備蓄品の確保が推奨されているようです。

 電気、ガスなどのインフラが復旧すれば、食料や生活事情もかなり変わってくると思いますが、過去の事例では電気の復旧に1週間前後かかっているようです。

 水道は早くて1週間で、場所によっては2週間以上かかる場合もあったそうです。

 ガスは水道以上に時間がかかるようです。

 以上を踏まえると、やはり在宅避難の場合は1週間分以上は備蓄したほうが良いと考えます。

 電気が復旧すると、家電が使えるのでしたら簡単な調理が可能になってきますので、それを踏まえた備蓄も考慮したほうが良いと思います。

 例えば、米や長持ちする野菜などをローリングストック法(※)で備蓄するのも良い方法だと思います。

(※)備蓄品を日常生活で使用することが前提で、少し多めに購入して、使った分を定期的に補充することで常に一定量備蓄する方法。

 ここからは、前回の記事「第五回 自助-災害に備えるために本当に必要な防災用品やグッズ、備蓄品 Part1」でご紹介させて頂いた品以外の持出品、備蓄品、防災グッズについてご紹介します。

お金、財布、通帳、印鑑、健康保険証、生命保険証、母子手帳などの貴重品

 これらの貴重品は水に濡れるといけませんので、日頃からビニール製のポーチなどに入れて保管するようにしましょう。

 お金は硬貨も入れておくことをおすすめします。

 災害時に運よく営業出来ているお店があったとしても、お釣りの準備までは万全ではない可能性が高いです。

 使える自動販売機があったとしても、お札が使えるかはわかりません。

 公衆電話で電話をかけることも出来ます。(公衆電話は災害時に無料開放されることもあるそうです)

連絡先リストや地図などの情報収集手段

 別記事「第五回 自助-災害に備えるために本当に必要な防災用品やグッズ、備蓄品 Part1」でご紹介しました携帯電話や多機能ラジオ以外に、緊急時の連絡先リストや家族の写真、付近の地図、地域の防災マップや防災ガイドを紙に印刷して、水に浸かっても大丈夫なようにビニール製のポーチなどに入れて保管しておきましょう。

 家族の写真は、はぐれた時の確認用です。写真ですと言葉で伝えるより確実です。

 携帯電話やスマートフォンがあるから紙の資料はいらないのでは、と思う方もしらっしゃるかもしれません。

 しかし、電子機器は壊れるたりバッテリーが切れて使えなくなる、ということを想定する必要があると思います。

飲用水や非常食、食器

 飲用水は、入れ物が大きすぎると取り扱いが大変ですし、開封後の品質も心配です。

 また、小さすぎるとゴミが増えてしまいます。

 よって、2リットルのペットボトルがちょうどよいかと思います。

 ドラッグストアなどで安く売られている商品を箱買いするのがおすすめです。

 高齢者の方などは、通信販売などを利用されるのがよろしいかと思います。

 通信販売の場合は、製品のブランドや価格、送料に注意して、高額でまがい物を買わされないようにご注意ください。

 非常食は、最近は色々な商品がありまして、中でも良く見かけるのがアルファー米です。

 味もバラエティに富んでいますので、被災した環境でもいろんな食事が採れて飽きがきにくいと思います。

 また、過去事例では、野菜不足によって病気の発症率の増加が見られたこともあって、野菜ジュースが推奨されているようです。

 紙パックで長期保存可能な野菜ジュースを備蓄することもお勧めします。

 食器は紙コップや紙皿、割りばしを備蓄しておけば十分と思います。

 後述してますが、食器にラップを巻いて使用すると、繰り返し使えて便利です。

使い捨てカイロやサバイバルシートなど防寒グッズ

 秋冬に被災した場合は、火を使わずに暖がとれるカイロは防災グッズとして必需品ですね。

 但し、使用期限がありますので、これもローリングストック法で備蓄するのが望ましいと思います。

 貼るタイプと貼らないタイプがありますが、貼るタイプだけで十分だと思います。

 融通が利く貼らないタイプがお好みの方は、両方備蓄することをお勧めします。

 また、サバイバルシート(保温シート)という、とても薄いアルミ製の丈夫なシートがありまして、それで身体を包むと体温が逃げずにとても暖かくなります。

 100円ショップなどでも売られてますが、安いものですとシャカシャカ音がして、寝るときなどは人によっては気になるかもしれません。

 音が出にくいシートも売ってますので、音が気になる方にはお勧めです。

 普段お使いのひざ掛けなども持出が可能でしたらあったほうが安心できるかもしれません。

健康や清潔のための防災グッズ、備蓄品

 普段から常用している持病薬は必ず持参しましょう。

 病院で少し多めに処方してもらって、ローリングストック法で備蓄するのが良いと思います。

 もし、飲み忘れなどで余っている場合は、それを利用してローリングストックするのも手ですね。

 タオルやトイレットペーパー、ウェットティッシュも備蓄しましょう。

 ウェットティッシュは使用期限に注意です。

 マスクも重要な防災グッズの1つです。病気の予防、ほこりや粉じんの吸込みをある程度防いでくれます。

ビニール袋やビニール紐、ブルーシート

 ビニール袋も必需品です。

 ゴミ箱、ものの仕分け、水タンク、レインコート、場合によっては簡易トイレなど、アイデア次第で色々な用途に使えます。

 大小のサイズを備蓄しておきましょう。

 ブルーシートもあった方が良いです。

 敷物として使用するのは当然ですが、防風用の壁として、防水用の屋根としてなど、ブルーシートも色々な用途に使えます。

  ブルーシートを壁や屋根として固定する際に、ビニールひもがあると便利です。

キッチン用品のラップ

 普段なにげなく使っているラップですが、使い方によっては非常に便利な防災グッズになります。

 防水や防臭、耐熱に優れていることを活かした使い方です。

 例えば、紙コップや紙皿は1回使えばゴミになりますが、毎回ラップで覆ってから使用すると、ゴミはラップだけになります。

 新聞紙でお椀を作ってラップで覆えば、立派な食器として使えます。

 ケガをした時には、簡易的な傷口保護や止血道具としても使えますし、手に巻けば簡易的な手袋になります。

 また、壁に貼り付ければ、油性マジックで書ける伝言板になります。

 その他にもアイデア次第でとても便利な道具に変身できる優れものです。

ポリタンクやミニキャリー

 災害時に給水を受けるためには水を入れるためのタンクが必要になります。

 防災用品というより、キャンプ用品として日頃売られているポリタンクなどが便利だと思います。

 ポイントは、給水口の広さ、持ち易さ、安定し易さ、蛇口の丈夫さなどが挙げられます。

 安いものは、給水口が小さかったり、水が出るところの作りが貧弱で水漏れしたり、設置するときに安定させ辛いなどとトラブルが多いようです。

 また、大は小を兼ねるという考えで大きいものを買ってしまいますと、水がいっぱい入るのは良いのですが、重たくて運ぶのが大変といった問題も発生しているようです。

 おすすめは女性でも比較的容易に運べるサイズが良いのではないでしょうか。

 そして、それを必要容量分の個数だけ購入するのが良いと思います。

 1個20リットル以上でも男性なら持てるかもしれませんが、いつも男性が運ぶとはかぎりません。

 実際に運ぶ場合は、ミニキャリーを防災用品として用意した方が良いと思います。

 数十メートル程度でしたら、数十kgの荷物を持って運べるかもしれませんが、数km運ばないといけない状況になるかもしれません。

 調べてみたら、公的にはおおよそ半径2kmに1か所程度給水所を設置する計画のようです。

電池、スペーサー、充電器、バッテリーなど(手回し含む)

 懐中電灯やラジオ、携帯電話などの重要な防災用品は、ほとんどが電池やバッテリーを使用しますので、替えの電池や充電手段は十分に用意する必要があります。

 でも、電池は結構重たいので、避難時の負担になりかねません。

 電池は負担にならない程度持ち出すとしまして、その中に充電可能なタイプの電池と充電器(コンセント用と手回し充電器の2つがベスト)を防災用品として加えることをおすすめします。

 これで、電池が切れて、お店も無いという状況でどうすることも出来ない、ということを回避できます。

 バッテリーは、スマートフォンを充電するためのUSB端子付きのものを良く見かけますが、防災用品としては、大容量のものをおすすめします。

 但し、バッテリーは自然放電しやすいので、定期的にバッテリーチェックと充電が必須です。

 あとは、電池をセットして使用するUSB端子付きの充電器もありますので、防災用品として加えておきたいですね。

手袋

 防災用品について調べている際に、用品のリストに手袋がありましたので、「なるほど、たしかにあった方がいいな。軍手でいいな」と、最初は軽い感じでとらえていました。

 しかし気になったので、もう少し良く調べたところ、防災用品としての手袋は皮手袋が良いという結論に達しました。

 災害時は可能な限り怪我は避けた方が良いのはご理解いただけると思います。

 そのためには軍手レベルでは無くて、刃物で切れなかったり、釘なども通さない、丈夫な手袋が良いようです。

 防災用品は、普段の軽作業と同じ観点で考えないほうが良いと改めて実感しました。

雨具(ポンチョ推奨)

 雨具は、ポンチョをおすすめします。

 普段、通勤や通学時に使用する雨具でしたら、おしゃれなレインコートが良いと私も思います。

 しかし、防災用品としての雨具はポンチョがお勧めです。

 単純に雨風をしのぐこと以外にも、以下のような利点があります。

  • リュックを背負ったまま着用できる。
  • 着やすいし、脱ぎやすい。
  • 身体に密着していないので動きやすいし蒸れにくい。
  • コンパクトに収納できる
  • ビニールシートの代わりに使える

などなど

 但し、足元が濡れやすいのでケアしたほうが良いと思います。

歯ブラシと液体ハミガキ

 被災中も歯磨きはやったほうが良いと思うけど水は貴重だなあ、と思っていたのですが、液体ハミガキという便利なものが市販されていました。

 製品は色々ありますが、液体ハミガキを口に含んでくちゅくちゅして、そのまま歯ブラシで磨くパターンと、吐き出してから磨くパターンの2種類があるようです。

 どちらも、液体ハミガキを吐き出した後は、口をゆすぐ必要はないそうです。

 歯磨きをしないで放っておきますと、虫歯になるだけでなく、雑菌が身体の中に入って、それがもとで病気になる可能性もあるそうです。

 ぜひ液体ハミガキと歯ブラシは防災用品に加えましょう。

簡易トイレ

 被災後のトイレ問題は、ネットで数多く紹介されてますのでご存知の方も多いと思います。

 キャンプが好きでたまに行くのですが、数百円程度で利用できる簡易キャンプ場を利用することがあります。そこに設置されているトイレは、穴の開いた板の上に屈んで用をたす溜め込み式のものが多いです。

 でも、管理人さんが定期的に掃除をされるので、糞尿が溜まりっぱなしという状況にはなりません。

 でも、災害時のトイレは、使い方次第ではかなり悲惨な状況になることが簡単に想像できます。

 簡易トイレは、色んな商品が防災用品として販売されていますので、使い方を良く調べて、自分に最適なものを選んで、必ず準備することをおすすめします。

 また、その時になってから慌てないように、事前に一度はご利用になることも大切と思います。

カセットコンロ及びボンベ

 カセットコンロは、あるととても便利なのですが、かさばってしまいますので悩んでしまいます。

 キャンプ用のホワイトガソリンを使用するコンロを持ってますので、在宅避難をするときのために防災用品として準備してますが、避難所に持っていこうとは思いません。

 専用のガスボンベと一体になっているタイプの携帯コンロもあるのですが、ガスボンベが専用のものしか使えないというのが不安です。

 色々調べてみたところ、使えそうな商品を見つけました。

 市販のカセットガスが使えて、かなりコンパクト(約80x70x110cm)に収納出来て、軽量(357g)なコンロです。

 とてもおすすめです。

ろうそく及びランタン

 防災用品としてろうそくというのは必須アイテムと思っていたのですが、中には完全否定される方もいらっしゃいます。

 ろうそくは倒れて引火するから危ない、そもそも火は火災の原因になるから危ない、というお考えのようです。

 私の考えとしましては、ろうそくではなく「明かり」というものとして考えてみますと、とても重要なアイテムだと思います。

 懐中電灯などの電気機器は、電池切れや故障などが原因で使えない場合があります。

 そんな場合でも、ろうそくがあれば容易に明かりを得ることが出来ます。(ライターやマッチなど着火可能な道具があることが前提ですが)

 ですので、懸念されることを無くすように前向きに考えて使用できるようにすれば、ろうそくによって安心感が増すと考えます。

 倒れない防災用品としてのろうそくは市販されてますし、ろうそく用のランタンもありますので、きちんとグッズを選択して、安心感を高めることをおすすめします。

生理用品、幼児向け備蓄品、高齢者向け備蓄品

 ここまでの防災用品は、万人に必要と思うものをご紹介してきましたが、生理用品や幼児向け備蓄品、高齢者向け備蓄品も、重要な防災用品として忘れずにリストアップしておきましょう。

 特に高齢者向けの備蓄品は、ご自分で用意することが困難な場合がありますので、ご家族の方に準備してもらう必要があるかもしれません。

 インターネットや通信販売などを利用できれば準備可能かもしれませんが、実際に災害時持出品として持ち出すことが可能な重量なのか、必要なものが漏れなく入っているのか、などチェックポイントが多いため、ご家族と一緒に準備される方がよろしいかと思います。

その他の特殊な防災用品やグッズ、備蓄品

 ここでは、通常はなくても良いですが、余裕があれば準備した方が良かったり、特殊な場合に必要になるようなグッズをご紹介します。

ガソリン缶詰

 災害時にガソリン不足になる状況は良くニュースなどで見かけます。

 今回、防災について調べて初めて知ったのですが、ガソリンの缶詰があるんですね!

 ガソリンを保管しておくためのタンクも売っていたのですが、ガソリンというのは、空気に触れてしまいますと劣化してしまい、数カ月しかもたないそうです。

 なので備蓄するには、このガソリン缶詰が最適だと思いました。

 また、ガソリンは車だけではなく、ガソリンを燃料として使う発電機をお持ちの方には、防災用品として立派に利用できます。

まとめ

 防災用品やグッズについて、リストだけでなく、なぜ必要なのかについてのポイントをまとめてきました。

 防災用品やグッズのリストは、ネットなどで良く見かけますが、なぜ必要なのか、どのような製品が適しているのか、などについて知ることによって、本当に必要な防災用品やグッズというものが判断できるのではないかと思います。

 ローリングストック法で備蓄するもの以外の防災用品に関しましては、量より質のほうを重視して、決して安物買いの銭(安心)失いにならないようにしたいものです。

 とはいいましても、ぼったくりには注意が必要ですので、高ければ良いというものでは決してありません。

 本記事が防災用品やグッズの選択に少しでもお役に立っていただければとてもうれしいです!

 また、本サイトをより良いものにしていきたいと思いますので、ご意見やご要望などありましたらぜひお気軽にコメント頂きたいと思います。

「第五回 自助-災害に備えるために本当に必要な防災用品やグッズ、備蓄品 Part2」を終わります。

 最後までお読みいただきありがとうございました。

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