Ryzen 5 7430Uは、AMD社が開発したモバイルPC向けのCPUです。
Ryzen 5シリーズの中では、中間あたりの性能になります。
Ryzen 5 7430Uを搭載したノートパソコンは、ブラウザを使用したネット閲覧や動画視聴、オフィス系アプリの利用など普段使いを目的とした用途でとても快適に利用することができるでしょう。
Ryzen 5 7430Uとほぼ同じくらいな性能のRyzen 5 7530UというCPUがありますが、Passmark(ベンチマークソフト)のスコア値や両者のスペックを確認したところ、どちらを選んでも大差は無いと判断しました。
もし両者を比較検討されているのでしたら、CPU以外の部分で悩まれた方が良いと思います。
本記事では、Ryzen 5 7430Uを様々な角度からご覧いただき、どのようなCPUなのか、どのような用途に向いているのか、そしてご検討中のノートパソコンの搭載CPUとしての妥当性などの情報をご提供することを目的としております。
本記事が、あなたに最適なノートパソコン探しのお役に立てれば幸いです。
AMD Ryzen 5 7430Uのスペック解説
本章では、Ryzen 5 7430Uの様々なスペックについて解説します。
まずは、スペック表をご覧ください。
スペック表
| 内容 | スペック | 備考 |
|---|---|---|
| CPUコア数 | 6 | |
| スレッド数 | 12 | |
| クロック周波数(GHz) (ベース) | 2.3 | |
| クロック周波数(GHz) (ブースト時) | 4.3 | |
| デフォルトTDP(W) | 15 | |
| 内蔵グラフィックスモデル | AMD Radeon Graphics | CPU内蔵 |
| NPUチップ | 無 | |
| NPU性能(TOPS) | 無 |
各スペックの解説
以下で、個別に解説していきます。
CPUコア数
CPUコアは、コンピュータに命令した処理を実行する部分です。
例えばCPUを1つの工場とする場合、CPUコアは工場の中にある作業部屋にあたります。
CPUコア数が多いということは作業部屋が多いということになりますので、CPUの処理能力が高くなることもイメージし易いでしょう。
Ryzen 5 7430UのCPUコア数は6ですので、6部屋の作業部屋があることになります。
スレッド数
スレッドは、CPUコア毎に割り振られている処理の単位になります。
CPUコアと同じように考えた場合、CPUコアは工場内の作業部屋でしたが、スレッドは各作業にある作業用の機械や道具にあたります。
複数スレッドあるということは機械が複数あるということになりますので、作業能力が高くなります。
Ryzen 5 7430Uの各CPUコアには2つのスレッドがありますので、CPU全体では12スレッドあるということになります。
クロック周波数(ベース)
CPUのクロック周波数とは、単位時間あたりにCPUがどのくらいの処理を行えるのかを示す指標のことです。
一般的には、クロック周波数が高いほど、そのCPUの性能は高いことになります。
でも、クロック周波数だけでCPUの性能が決まるわけではなく、前に説明しましたCPUコア数やスレッド数、その他の要素が複合的に作用することによってCPUの総合性能が決まります。
ベースとなるクロック周波数といいますのは、定格クロック周波数とも呼ばれていまして、CPUが常に安定して動作できる周波数のことをいいます。
クロック周波数(ブースト)
ブーストクロックとは、一時的に高い処理能力が必要な時に、CPUが自動的にクロック周波数を挙げる機能のことをいいます。
ブーストクロック周波数は、ブースト時に上げることが出来る最大のクロック周波数のことです。
クロック周波数が上がりますと、その分CPUの温度や消費電力が上がることになります。
ですので、その分の冷却性能の考慮や供給可能な電源の能力が求められることになりますので、CPU以外の部分の性能を高める必要が出てきます。
デフォルトTDP
パソコンを作る場合、どのくらいの冷却性能があればよいのかというポイントは大変重要な要素になってきます。
冷却性能が足らない場合、パソコン内部の温度が上昇しすぎてしまい、最悪の場合は内部の部品が壊れてしまいます。
この要素を決めるための指標として使われるのが、デフォルトTDPになります。
デフォルトTDPはパソコンを利用する際には特に意識する必要はありませんが、購入時にチェックした方が良いポイントとして挙げさせていただきました。
例えば、デフォルトTDPが低いCPUを搭載したノートパソコンの場合、過度な熱対策は必要なくなるから薄型や軽量なノートパソコンを選べる選択肢が増えたりします。
Ryzen 5 7430UのデフォルトTDPは、15Wと低い値です。
よって、ノートパソコンを作る側にとりましては自由度が高くなり、機種を選ぶ側にとりましては豊富なバリエーションから選べる可能性を秘めていると言えるでしょう。
内蔵グラフィックスモデル
内蔵グラフィックとは、CPUに内蔵されているグラフィック機能のことを指します。
一般的に専用GPUと呼ばれていますCPUとは別に搭載するグラフィック機能と比べますと、かなり性能は低いです。
低いとはいいましても、Web閲覧やオンラインミーティング、動画鑑賞などでノートパソコンをお使いの場合は、内蔵グラフィックで十分です。
4K動画編集やゲーミング用途など使う場合は、専用GPUが無いと辛いことになります。
内蔵グラフィックモデルをチェックすることによって、CPUに内蔵されているグラフィック機能の性能を知ることができます。
Ryzen 5 7430Uに内蔵されているグラフィック機能の性能は、普段使い用ノートパソコンとしては十分でして、外部モニターへの4K出力(@60Hz)も可能です。
NPUチップ
NPUチップは、AI機能の処理を専門に行うプロセッサのことです。
今後AI機能に求められる性能はどんどん高まってくると予想されますので、AI処理専用のチップの有無は重要なチェックポイントになるでしょう。
ただし、従来のようにクラウド上のAI機能を利用すれば十分な方にとりましては、ノートパソコンにNPUチップが搭載されていなくても問題ないでしょう。
Ryzen 5 7430Uには、NPUチップは搭載されておりません。
NPU性能
NPUの性能は、TOPSという単位の数値によって把握できます。
TOPSは、1秒間に何兆回AI処理が処理可能かを表します。
例えば40TOPSは、1秒間に40兆回AI処理を行うことが可能ということです。
Ryzen 5 7430UにはNPUチップは搭載されておりませんので、NPU性能値はありません。
ベンチマークスコアと性能評価
CPU性能を評価する際は、ベンチマークというアプリでの計測結果を利用して相対的に比べるのが一般的です。
私が利用していますのは、Passmarkというベンチマークソフトウエアのスコア値になります。
同ソフトウエアの公式サイトに大量のCPUのスコア値が掲載されていますので、必要な時は参照しています。
本記事でCPUの性能評価として利用しているのも、Passmarkのスコア値です。
Ryzen 5 7430UのPassmarkのスコア値は、以下の通りです。
| 名称 | スコア値 |
|---|---|
| CPU(マルチスレッド) | 16330 |
| CPU(シングルスレッド) | 3024 |
| グラフィック性能 | 2270 |
CPUのスコア値の相対評価
以下の表は、Ryzen 5 7430UのPassmarkスコア値と同じくらいの値のCPUの一覧です。
掲載してありますのは、ノートパソコン向けに開発されたCPUになります。
一覧に掲載されているCPUを搭載したパソコンを操作されたことがある場合は、Ryzen 5 7430Uの性能が予想できると思います。
スコア値が大きいものから順に並べてあります。(降順)
| 対象CPU | スコア値(マルチ) | スコア値(シングル) |
|---|---|---|
| Intel Core Ultra 5 235U | 17640 | 3599 |
| AMD Ryzen 5 7535U | 16994 | 3202 |
| Intel Core 5 120U | 16613 | 3687 |
| AMD Ryzen 5 7430U | 16330 | 3024 |
| AMD Ryzen 5 7530U | 15424 | 3034 |
| AMD Ryzen 5 5560U | 15241 | 2834 |
| AMD Ryzen 5 5600U | 15170 | 2890 |
上の表のCPUは、一般的にミドルクラスの性能といえます。
Ryzen 5 7430Uのひとつ上にありますRyzen 5 7530Uは、Ryzen 5 7430Uより約1年前に登場したCPUでして、CPUコア数やスレッド数は両者同じ数ですが、ベースクロック周波数は7430Uが若干高く、ブーストクロック周波数は7530Uが若干高いという違いがあります。
| Ryzen 5 7430U | Ryzen 5 7530U | |
|---|---|---|
| クロック周波数(ベース) | 2.3 | 2.0 |
| クロック周波数(ブースト) | 4.3 | 4.5 |
イメージとしましては、普段使いの時は、Ryzen 5 7430Uのほうが処理性能が高く、重たい処理を行う場合はRyzen 5 7530Uのほうが性能が高くなる、という感じでしょうか。
Passmarkのスコア値的にはわずかな差ですので、コスパの良いほうを購入されても良いかと思います。
Ryzen 5 7530Uを搭載したノートパソコンにご興味のある方は、本サイトの以下の記事をご覧ください。
おすすめなRyzen 5 7430U搭載ノートパソコン
冒頭でも軽く触れましたが、Ryzen 5 7430Uを搭載したノートパソコンは、ブラウザを使用したネット閲覧や動画視聴、オフィス系アプリの利用など、ご家庭での普段使い用として、ビジネス向けとしての用途にちょうど良いと思います。
その用途から考えますと、内蔵メモリは8GB、可能でしたら16GBは搭載したいところです。
ネットで情報を仕入れつつ、オフィス系アプリで資料を作成しながら、合い間で動画視聴をする、など、複数の作業を並行して行うのでしたら、内蔵メモリは16GBあったほうが快適でしょう。
ネットワーク機能やUSB端子、外部モニター出力端子、SDカードリーダーなどの周辺デバイスの優先度に応じて、様々なメーカーのノートパソコンを比較検討していただければと思います。
以下のノートパソコンの一覧は、国内外の有名メーカーの中から、気になる機種を厳選して作成しました。
一覧は、メーカー別(順不同)に並べています。
Ryzen 5 7430Uを搭載したノートパソコン探しのお役に立てれば幸いです。
Lenovo(レノボ)
Lenovo V14 Gen4 AMD
- メーカーは世界トップクラスのパソコン専門会社Lenovo(レノボ)
- USB端子を3基搭載(内2つはUSB3.2)
- ノートPC入門者や事務作業用には十分すぎる処理性能
| 部位 | スペック |
|---|---|
| OS | Windows11 Home |
| モニター | 14インチ 1920x1080 IPS 非光沢 |
| CPU | AMD Ryzen 5 7430U |
| 内蔵メモリ | 8GB |
| グラフィック | CPU内蔵(AMD Radeon グラフィックス) |
| 内蔵ストレージ | 512GB(SSD、NVMe) |
| USB端子 | USB3.2 Gen1(Type-C)x1、 USB3.2 Gen1(Type-A)x1、 USB2.0 (Type-A)x1 |
| ネットワーク | 無線:Wi-Fi 6 有線:1Gbps |
| 本体重量 | 1.43kg |
| その他 | Webカメラ 720p(約92万画素) |
- CPUや各種周辺装置は平均的なスペックで十分
- 使い道が明確になっていないので全部入りのノートPCが欲しい
いつもはブラウザでネット閲覧しながら、SNSで動画や写真を見たり、ご自分のアカウントで配信したりするのはもちろんのこと、エクセルやパワーポイントなどでの資料作成なども快適に利用できるでしょう。
内蔵メモリは8GB搭載していますので、普段使い用途でしたら問題ないと思います。先々のことを考えて、16GBにカスタマイズ購入することも可能です。ご自分で増設できる方は、内蔵メモリの空きスロットもあります。
USB端子は3つ付いていまして、その内2つはUSB3.2で高性能です。USB2.0端子は、外付けマウス用として使えます。
有線LAN端子が搭載されていますので、Webミーティングなどで安定した通信を行いたい場合に安心です。
本体重量は約1.43kgと、14インチモニターノートPCとしては標準的な重さです。
詳細はLenovo(レノボ)公式サイトでご確認ください。
マウスコンピューター
mouse A4-A5U01SR-B
- メーカーはCMでおなじみのマウスコンピューター
- FullHD(200万画素)の高解像度Webカメラ内蔵
- 高性能USB端子を3基搭載
| 部位 | スペック |
|---|---|
| OS | Windows11 Home |
| モニター | 14インチ 1920x1080 非光沢 |
| CPU | AMD Ryzen 5 7430U |
| 内蔵メモリ | 16GB(8GBx2:デュアルチャネル) |
| グラフィック | CPU内蔵(AMD Radeon グラフィックス) |
| 内蔵ストレージ | 256GB(SSD、NVMe) |
| USB端子 | USB3.2 Gen2(Type-C)x1、 USB3.2 Gen1(Type-A)x2 |
| ネットワーク | 無線:Wifi6E 有線:1Gbps |
| 本体重量 | 1.34kg |
| その他 | Webカメラ 200万画素 |
- 普段使い用途でもCPUの性能には余裕が欲しいが高価な機種は不要
- 超軽量機種はいらないが1.3kg前後の軽量さは欲しい
- WebカメラはFullHDのキレイさが欲しい
microSDカードスロットや有線LANポートなど、一般的なインターフェイスは一通り内蔵されていますので、幅広いユーザがストレスなく使うことができるでしょう。
また、無線LANはWifi6E、外部モニターへの出力は2系統、FullHDのWebカメラなど、個々の性能も平均以上のものを搭載しています。
本体重量は1.33kgで、14インチノートパソコンとしては軽量の部類に入ります。
詳細はマウスコンピューター公式サイトでご確認ください。
mouse A5-A5A01SR-A
- メーカーはCMでおなじみのマウスコンピューター
- USB端子を4基搭載
- 本体重量は15インチノートPCで1.61kgと軽量
| 部位 | スペック |
|---|---|
| OS | Windows11 Home |
| モニター | 15.6インチ 1920x1080 非光沢 |
| CPU | AMD Ryzen 5 7430U |
| 内蔵メモリ | 16GB(8GBx2:デュアルチャネル) |
| グラフィック | CPU内蔵(AMD Radeon グラフィックス) |
| 内蔵ストレージ | 512GB(SSD、NVMe) |
| USB端子 | USB3.2 Gen2(Type-C)x1、 USB3.2 Gen1(Type-A)x1、 USB2.0 (Type-A)x2 |
| ネットワーク | 無線:Wifi6E 有線:1Gbps |
| 本体重量 | 1.61kg |
| その他 | Webカメラ 100万画素 |
- モニターは広い方が良いけど、なるべく軽い方が良い
- コスパに優れた普段使い向けのパソコンが欲しい
microSDカードスロットや有線LANポートなど、一般的なインターフェイスは一通り内蔵されていますので、幅広いユーザがストレスなく使うことができるでしょう。
Webカメラは100万画素でして、Webミーティングなどでキレイな映像を送信可能です。FullHD画質へのこだわりがないのでしたら、100万画素でも十分でしょう。
USB端子は、4基搭載されています。その内2基は、高性能なUSB3.2端子です。USB2.0端子は、外付けマウスやICカードリーダーなど、まだまだ用途は多彩です。
本体重量は1.61kgでして、15インチノートPCとしてはかなり軽量です。
詳細はマウスコンピューター公式サイトでご確認ください。
まとめ
Ryzen 5 7430UとRyzen 5 7530Uを比べた場合、後に登場した7430Uのほうが番号が若いので性能が低いと思いがちです。
Passmarkスコア値を見ますと、実はほんの少しRyzen 5 7430Uの方が高いんですね。
AMD公式サイトのスペック表を見比べてみましたが、違いは上で解説したベースクロックとブーストクロックの周波数と内蔵グラフィック機能のクロック数(少しRyzen 5 7430Uの方が高い)だけでした。
もしRyzen 5 7430UとRyzen 5 7530Uで迷われているなら、この二つは同じ性能と考えて、本体価格やモニター、USB性能など、その他の点で判断されたほうが良いと思います。
Ryzen 5 7530Uを搭載したノートパソコンにご興味のある方は、本サイトの以下の記事をご覧ください。
最後までお読みいただきありがとうございました!


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