Intel Core 5 120Uは、Intel社が開発したモバイルPC向けのCPUです。
ノートパソコン用のCore 5シリーズはまだ種類が少ないのでなんとも言えませんが、Passmarkのスコア値的には標準的な性能と言えるでしょう。
Intel Core 5 120Uを搭載したノートパソコンの用途を考えた場合、ネット閲覧や動画視聴などはもちろんのこと、MS-Officeなどのビジネスソフトをストレスなく操作できたり、デジカメで撮影した写真の編集や現像も快適に行えて、軽度な動画編集でしたら問題なく作業できます。
ですので、普段使いからビジネス用途、専門的でない趣味レベルのクリエイティブな作業に適しています。
本記事では、Intel Core 5 120Uを様々な角度からご覧いただき、どのようなCPUなのか、どのような用途に向いているのか、そしてご検討中のノートパソコンの搭載CPUとしての妥当性などの情報をご提供することを目的としております。
本記事が、あなたに最適なノートパソコン探しのお役に立てれば幸いです。
Intel Core 5 120Uのスペック解説
本章では、Intel Core 5 120Uの様々なスペックについて解説します。
まずは、スペック表をご覧ください。
スペック表
| 内容 | スペック | 備考 |
|---|---|---|
| CPUコア数 | 10 | Pコア:2、Eコア:8 |
| スレッド数 | 12 | |
| クロック周波数(GHz) (ベース) | Pコア:1.4GHz、Eコア:900MHz | |
| クロック周波数(GHz) (ブースト時) | Pコア:5.0GHz、Eコア:3.8GHz | |
| デフォルトTDP(W) | 15W | |
| 内蔵グラフィックス | Intel Graphics | CPU内蔵 |
| NPUチップ | なし | |
| NPU性能(TOPS) | なし |
各スペックの解説
以下で、個別に解説していきます。
CPUコア数
CPUコアは、コンピュータに命令した処理を実行する部分です。
例えばCPUを1つの工場とする場合、CPUコアは工場の中にある作業部屋にあたります。
CPUコア数が多いということは作業部屋が多いということになりますので、CPUの処理能力が高くなることもイメージし易いでしょう。
通常は複数のCPUコアは同じ性能のものを搭載していますが、Intel Core 5 120Uの場合はPerformance-cores(Pコア)とEfficient-cores(Eコア)の性格の異なる2種類のコアを搭載しています。
この2種類のコアは、簡単に言いますと、Pコアは性能を重視、Eコアは効率を重視した設計になっていまして、この2つがバランス良く稼働することで総合的に高性能なCPUとして使用することができます。
Intel Core 5 120UのCPUコア数は、Pコアが2個、Eコアが8個ですので、合計10部屋の作業部屋があることになります。
IntelのCPUでは、10個のコア数は標準的です。
スレッド数
スレッドは、CPUコア毎に割り振られている処理の単位になります。
CPUコアと同じように考えた場合、CPUコアは工場内の作業部屋でしたが、スレッドは各作業にある作業用の機械や道具にあたります。
複数スレッドあるということは機械が複数あるということになりますので、作業能力が高くなります。
1つのPコアのスレッド数は2、Eコアは1ですので、Intel Core 5 120Uの全スレッド数は12になります。
クロック周波数(ベース)
CPUのクロック周波数とは、単位時間あたりにCPUがどのくらいの処理を行えるのかを示す指標のことです。
一般的には、クロック周波数が高いほど、そのCPUの性能は高いことになります。
でも、クロック周波数だけでCPUの性能が決まるわけではなく、前に説明しましたCPUコア数やスレッド数、その他の要素が複合的に作用することによってCPUの総合性能が決まります。
ベースとなるクロック周波数といいますのは、定格クロック周波数とも呼ばれていまして、CPUが常に安定して動作できる周波数のことをいいます。
Intel Core 5 120Uのベースのクロック数は、Pコアは1.4GHz、Eコアは900MHzです。
クロック周波数(ブースト)
ブーストクロックとは、一時的に高い処理能力が必要な時に、CPUが自動的にクロック周波数を挙げる機能のことをいいます。
ブーストクロック周波数は、ブースト時に上げることが出来る最大のクロック周波数のことです。
クロック周波数が上がりますと、その分CPUの温度や消費電力が上がることになります。
ですので、その分の冷却性能の考慮や供給可能な電源の能力が求められることになりますので、CPU以外の部分の性能を高める必要が出てきます。
Intel Core 5 120Uのブースト時のクロック数は、Pコアは5.0GHz、Eコアは3.8GHzです。
Eコアはクロック数が低いので処理性能は落ちますが、処理能力を必要としない処理を行わせることでCPU全体としては効率よく仕事をこなすことができることになります。
また、Eコアのほうが消費電力が低いために、バッテリーの持続時間の向上につながり、結果としてパソコンの使い勝手を上げることができるのです。
デフォルトTDP
パソコンを作る場合、どのくらいの冷却性能があればよいのかというポイントは大変重要な要素になってきます。
冷却性能が足らない場合、パソコン内部の温度が上昇しすぎてしまい、最悪の場合は内部の部品が壊れてしまいます。
この要素を決めるための指標として使われるのが、デフォルトTDPになります。
デフォルトTDPはパソコンを利用する際には特に意識する必要はありませんが、購入時にチェックした方が良いポイントとして挙げさせていただきました。
例えば、デフォルトTDPが低いCPUを搭載したノートパソコンの場合、過度な熱対策は必要なくなるから薄型や軽量なノートパソコンを選べる選択肢が増えたりします。
Intel Core 5 120UのデフォルトTDPは、15Wと低い値です。
よって、ノートパソコンを作る側にとりましては自由度が高くなり、機種を選ぶ側にとりましては豊富なバリエーションから選べる可能性を秘めていると言えるでしょう。
内蔵グラフィックスモデル
内蔵グラフィックとは、CPUに内蔵されているグラフィック機能のことを指します。
一般的に専用GPUと呼ばれていますCPUとは別に搭載するグラフィック機能と比べますと、かなり性能は低いです。
低いとはいいましても、Web閲覧やオンラインミーティング、動画鑑賞などでノートパソコンをお使いの場合は、内蔵グラフィックで十分です。
4K動画編集やゲーミング用途など使う場合は、専用GPUが無いと辛いことになります。
内蔵グラフィックモデルをチェックすることによって、CPUに内蔵されているグラフィック機能の性能を知ることができます。
Intel Core 5 120Uに内蔵されているグラフィック機能の性能は、普段使い用ノートパソコンとしては十分でして、外部モニターへの4K出力(@60Hz)も可能です。
NPUチップ
NPUチップは、AI機能の処理を専門に行うプロセッサのことです。
今後AI機能に求められる性能はどんどん高まってくると予想されますので、AI処理専用のチップの有無は重要なチェックポイントになるでしょう。
ただし、従来のようにクラウド上のAI機能を利用すれば十分な方にとりましては、ノートパソコンにNPUチップが搭載されていなくても問題ないでしょう。
Intel Core 5 120Uには、NPUチップは搭載されておりません。
NPU性能
NPUの性能は、TOPSという単位の数値によって把握できます。
TOPSは、1秒間に何兆回AI処理が処理可能かを表します。
例えば40TOPSは、1秒間に40兆回AI処理を行うことが可能ということです。
Intel Core 5 120UにはNPUチップは搭載されておりませんので、NPU性能値はありません。
ベンチマークスコアと性能評価
CPU性能を評価する際は、ベンチマークというアプリでの計測結果を利用して相対的に比べるのが一般的です。
私が利用していますのは、Passmarkというベンチマークソフトウエアのスコア値になります。
同ソフトウエアの公式サイトに大量のCPUのスコア値が掲載されていますので、必要な時は参照しています。
本記事でCPUの性能評価として利用しているのも、Passmarkのスコア値です。
Intel Core 5 120UのPassmarkのスコア値は、以下の通りです。
| 名称 | スコア値 |
|---|---|
| CPU(マルチスレッド) | 16613 |
| CPU(シングルスレッド) | 3687 |
| グラフィック性能 | 不明 |
※Passmark公式サイトより抜粋
CPUのスコア値の相対評価
以下の表は、Intel Core 5 120UのPassmarkスコア値と同じくらいの値のCPUの一覧です。
スコア値が大きいものから順に並べてあります。(降順)
| 対象CPU | スコア値(マルチ) | スコア値(シングル) |
|---|---|---|
| AMD Ryzen 5 7535HS | 17889 | 3120 |
| Intel Core Ultra 5 125U | 17298 | 3289 |
| Intel Core Ultra 5 228V | 16984 | 3786 |
| Intel Core 5 120U | 16613 | 3687 |
| AMD Ryzen 5 7430U | 16330 | 3024 |
| AMD Ryzen 5 7530U | 15424 | 3024 |
| Intel Core 7 150U | 15041 | 3531 |
※Passmark公式サイトより抜粋
通常は上のような表でベンチマークのスコア値を比較して、それぞれのCPUを搭載した機種の本体価格やスペック調べて、最終的に購入するノートパソコンを決めることになります。
でも最近のCPUは、次々に新しい技術が投入されていまして、ベンチマーク的には同じ性能でもパソコンの使い方によってパフォーマンスに差が出てしまうことがあります。
例えば、Intel Core 5 120Uの上にあるIntel Core Ultra 5のCPUのPassmarkスコア値を見てみますと、3つとも同程度の性能のように見えます。
でも、CPUのスペックを細かく比較しますと、内部構造が異なっていて、全く別物のCPUと言っても過言ではないことが分かります。
| 仕様 | Core 5 120U | Core Ultra 5 125U | Core Ultra 5 228V |
|---|---|---|---|
| コア数 | 10(P:2、E:8) | 12(P:2、E:8、LPE:2) | 8(P:4、LPE:4) |
| スレッド数 | 12 | 14 | 8 |
| クロック数 (ブースト時) | 5GHz | 4.3GHz | 4.5GHz |
| NPU | 非搭載 | 搭載 | 搭載(40TOPS) |
| 内蔵グラフィック | Intel Graphics (1.3GHz) | Intel Graphics (1.85GHz) | Intel Arc Graphics 130V |
| 発売日 | 2024年第1四半期 | 2023年第4四半期 | 2024年第3四半期 |
※Core Ultra 5 228Vはハイパースレッディング無し
3つともコア数が異なっていますが、違うのは数だけではなくコアの種類と構成も異なっています。
その結果、スレッド数も異なっています。
NPUの搭載やその性能も3つとも異なっています。内蔵グラフィック性能も3つとも違います。
このように、Passmarkのスコア値が同程度の場合でも、CPUの作りは全く異なっていまして、さらにそのCPUを搭載したノートパソコンが向いている使い方も異なってくるのです。
ちなみにCore Ultra 5 228V搭載機は、AI機能を本格的に使用するユーザ向けで本体価格も高額です。Core Ultra 5 125U搭載機は、普段使いやビジネス用途でも向いていますが本体価格が高めでコスパは低めです。
ノートパソコンのCPUにAIチップが内蔵されていなくてもクラウドで利用できるAI機能で十分だ、という方は、Intel Core 5 120Uを始めとするAI機能なしのCPUを搭載した機種で良いでしょう。
おすすめなIntel Core 5 120U搭載ノートパソコン
冒頭でも軽く触れましたが、Intel Core 5 120Uを搭載したノートパソコンは、ブラウザを使用したネット閲覧や動画視聴、オフィス系アプリの利用など、ご家庭での普段使い用として、ビジネス向けとしての用途にちょうど良いと思います。
その用途とCPU自体の性能から考えますと、内蔵メモリは16GBは搭載したいところです。8GBでも良いのですが、Intel Core 5 120Uの能力を最大限に活かすために内蔵メモリは多めに搭載することをおすすめします。
ネットワーク機能やUSB端子、外部モニター出力端子、SDカードリーダーなどの周辺デバイスの優先度に応じて、様々なメーカーのノートパソコンを比較検討していただければと思います。
以下のノートパソコンの一覧は、国内外の有名メーカーの中から、気になる機種を厳選して作成しました。
一覧は、メーカー別(順不同)に並べています。
Intel Core 5 120Uを搭載したノートパソコン探しのお役に立てれば幸いです。
Dell(デル)
Dell 16 ノートパソコン
- メーカーは世界トップクラスのIT企業Dell(デル)
- 16インチで解像度1920x1200の大画面モニター
- USB端子は3つで全て高性能
| 部位 | スペック |
|---|---|
| OS | Windows11 Home |
| モニター | 16インチ 1920x1200 タッチパネル WVA/IPS 非光沢 |
| CPU | Intel Core 5 120U |
| 内蔵メモリ | 8GB |
| グラフィック | CPU内蔵(Intel Graphics) |
| 内蔵ストレージ | 512GB(SSD、NVMe) |
| USB端子 | USB3.2 Gen2(Type‐C)x1、 USB3.2 Gen1(Type‐A)x2 |
| ネットワーク | 無線:Wifi6 |
| 本体重量 | 1.98kg |
| その他 | Webカメラ 約92万画素 |
- プレゼンのツールとして使い勝手の良いノートパソコンが欲しい
- 基本的に持ち運ばないので本体重量はあまり気にならない
- 資料の参照・作成が多いので1920x1200のような縦方向に広めのモニターが好み
Dell 16は、1920x1200の縦方向に広いモニターですので、資料が見やすく作業がはかどります。
内蔵メモリは8GBですが、購入時に16GBにカスタマイズ可能です。
USBは高性能な端子を3基搭載していますので、外付けデバイスとの接続に困ることはないでしょう。USBハブを使えば良いという考えもありますが、置き忘れる心配もありますので、内蔵されているのにこしたことはありません。
本体重量は約2kgと16インチノートパソコンとしては平均的ですが、一般的なノートパソコンとしてみると重さを感じます。
ご自宅内や社内での持ち歩きでしたら、許容範囲内と思います。
詳細はDell(デル)公式サイトでご確認ください。
有線LANのポートはありませんので、有線LANをお使いになる場合は別途LANアダプターが必要になります。
高いものから安いものまでいろいろな製品がありますが、下のレベルの製品で十分です。
USBの形状は、Type-Aです。お値段は高くなりますが、Type-Cのものもあります。
日本HP
HP 17-cn スタンダードモデル
- メーカーは世界トップクラスのIT企業HPの日本法人である日本HP
- モニターは17インチと超大画面
- キーボードが広くなるのでテンキーが使える
| 部位 | スペック |
|---|---|
| OS | Windows11 Home |
| モニター | 17.3インチ 1920x1080 IPS 非光沢 |
| CPU | Intel Core 5 120U |
| 内蔵メモリ | 16GB(8GBx2:デュアルチャネル) |
| グラフィック | CPU内蔵(Intel Graphics) |
| 内蔵ストレージ | 512GB(SSD、NVMe) |
| USB端子 | USB3.2 Gen2(Type-C)x1、 USB3.2 Gen1(Type-A)x2 |
| ネットワーク | 無線:Wifi6 |
| 本体重量 | 2.0kg |
| その他 | Webカメラ 92万画素 |
- CPUの性能には余裕が欲しいが高価な機種は不要
- 内蔵メモリはデュアルチャネル構成の方が好み
- 軽量性はもとめないが2.0kg前後の軽量さは欲しい
自宅ではデスクトップPCで大画面モニターを使用している方は、出先で小さい画面のノートパソコンにストレスを感じる場合があると思います。
そのような方は、17インチモニターのノートパソコンを選択するのも良いかもしれません。
本体重量が2kgと重めではありますが、リュックに収納するなど、持ち運び方を工夫すると良いでしょう。
でも、17インチ機種で2kgは軽量だと思います。
USB端子や外部モニター出力、Webカメラの性能、テンキーも使える広いキーボードなどの周辺機器は、必要十分なものがそろっていますので、十分デスクトップPCの代わりに使えるのではないでしょうか。
詳細は日本HP公式サイトでご確認ください。
有線LANのポートはありませんので、有線LANをお使いになる場合は別途LANアダプターが必要になります。
高いものから安いものまでいろいろな製品がありますが、下のレベルの製品で十分です。
USBの形状は、Type-Aです。お値段は高くなりますが、Type-Cのものもあります。
まとめ
Intel Core 5 120Uを搭載したノートパソコンは、普段使い用途だけに使うのはもったいないと思いますので、活用範囲を趣味の領域まで広げたほうが良いでしょう。
その場合は、外付けデバイスとの接続性や内蔵バッテリーの持続時間などをチェックすることをおすすめします。
本記事でご紹介した機種の中でおすすめするとしたら、出先でもデスクトップPCに近い環境で作業できるメリットがある日本HPのHP 17-cn スタンダードモデルです。
最後までお読みいただきありがとうございました!



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