直木賞作家・角田光代原作の映画「八日目の蝉」。
女性の心に響く作品だとは思いますが、異性の気持ちや考え方を理解する意味で男性の方にもとてもおすすめな映画です。
私は「八日目の蝉」を過去3回見ていまして、見るたびに新しい発見をします。一番興味があるのは作品タイトル「八日目の蝉」の意味ですね。
最初見た時はさっぱり意味が解らなかったのですが、3回目にしてやっと意味がわかったような気がします。
本記事では、映画「八日目の蝉」のあらすじや動画配信情報などをご紹介してます。
(注)原題の「せみ」の字は「虫」へんに「單」と書きます。文字化けの可能性がありますので本記事では「蝉」と記載させていただきます
第35回日本アカデミー賞で10冠を獲得
2012年3月の第35回日本アカデミー賞で10冠を達成したことはご存知の方も多いと思います。
最優秀賞一覧
最優秀作品賞 | 八日目の蝉 |
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最優秀監督賞 | 成島出 |
最優秀主演女優賞 | 井上真央 |
最優秀助演女優賞 | 永作博美 |
最優秀脚本賞 | 奥寺佐渡子 |
最優秀音楽賞 | 安川午朗 |
最優秀撮影賞 | 藤澤順一 |
最優秀照明賞 | 金沢正夫 |
最優秀録音賞 | 藤本賢一 |
最優秀編集賞 | 三條知生 |
みごとですね。ほぼ独占状態です。
最優秀賞以外に以下も受賞しています。
優秀助演女優賞 | 小池栄子 |
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優秀美術賞 | 松本知恵 |
新人俳優賞 | 渡邉このみ |
最優秀賞の俳優はさすがですね。とても印象深い演技を見せてくれました。
でも、私にとって最優秀賞の方々と同じくらいとても印象深かったのは、優秀助演女優賞の小池栄子と新人俳優賞の渡邉このみです。
作品を見ていただくとわかると思うのですが、ふたりもとても素晴らしい演技をしているんですよね。
小池栄子はグラドルやバラドルとしての印象が強かったので、「八日目の蝉」でこんなスゴイ演技を見せてくれるなんで思ってもいませんでした。
渡邉このみもとても表情豊かでベテラン俳優顔負けの演技を見せてくれています。セリフも自然で、本当に4歳なの?という感じでした。
将来が楽しみですね。
映画「八日目の蝉」とは
「八日目の蝉」は「母性」というテーマに関するメッセージ性の強い作品です。
不倫相手の赤ちゃんを出来ごころで誘拐してしまった女の逃走劇と、誘拐された赤ちゃんの成人してからの生きざまがみごとに描かれています。
原作では赤ちゃんを誘拐して逮捕されるまでと誘拐された赤ちゃんが成人した後の人生の2部構成で書かれているのですが、映画「八日目の蝉」ではその2つがバラバラに登場していきます。
憎むべき誘拐犯に対する思いの変化や愛情に満ち溢れていた幼少期の記憶が徐々に思い出される感覚が見事に表現されていると思います。映像作品だからこそできる技ではないでしょうか。
「八日目の蝉」の意味とは
蝉は俗説として寿命は七日と言われていることはご存知だと思います。「八日目の蝉」とは、作品内では通常の寿命は過ぎたのにまだ生き残っている蝉という意味で使われています。
作品の前半部分で、友人・千草から「たった七日で死んじゃうなんてあんまりだよね。」と聞かれ、それに対して主人公・恵理菜は、
「ほかのどの蝉も七日で死んでじゃうんだったら,別に寂しくない。だってみんな同じだ。でも、もし八日目の蝉がいたら、仲間はみんな死んじゃってて。そのほうが哀しいよ。」
と答えます。
しかし後半部分では、千草が「七日で死ぬより、八日目の蝉の方が悲しいって。私もそう思ってたけど違うかもね。八日目の蝉は他の蝉には見れなかった何かをみられるんだもん。もしかしたらそれすごくきれいなものかもしれないよね。」と言い、恵理菜も「うん、そうかもね。」と納得します。
その間のふたりの人生経験で、「八日目の蝉」は「独りぼっちで哀しい」から「他の人よりすごくきれいなものをいっぱい見ることができる」と前向きな意見に変化しているのがわかります。
人生は自ら切り開いていくものだと思いますが、「独り」を「孤独」ととるか「特別」ととるかで意味が全く異なってくるもんだなあと実感しました。
映画「八日目の蝉」のあらすじ
妻子ある男の子供を身ごもった野々宮希和子(永作博美)は、男に産むことを拒否されおろしてしまう。
その男には産まれたばかりの赤ちゃんがいた。
顔を見るためにその男の家に忍び込んだ希和子は、思い余ってその子を誘拐してしまう。
希和子は誘拐した子供を薫(渡邉このみ)として愛情いっぱいに育てた。ところが、薫が4歳の時に希和子は逮捕され、薫は実の家に恵理菜として戻る。
本当の家族に実感を持てず、世間から中傷を受け続けた恵理菜(井上真央)は心を閉ざしたまま成長していく。
そして、希和子と同じく妻子ある男の子供を身ごもってしまうのだった。
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映画「八日目の蝉」のキャスト/スタッフ
キャスト
井上真央 ・・・ 秋山恵理菜 役(主役)
永作博美 ・・・ 野々宮希和子 役
小池栄子 ・・・ 安藤千草 役
森口瑤子 ・・・ 秋山恵津子 役
渡邉このみ ・・・ 薫(幼少時の恵理菜) 役
他
スタッフ
監督 ・・・ 成島出
原作 ・・・ 角田光代 作品名:「八日目の蝉」
脚本 ・・・ 奥寺佐渡子
音楽 ・・・ 安川午朗
配給 ・・・ 松竹
公開 ・・・ 2011年4月
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「八日目の蝉」は映画化される前にNHKでドラマ化されていたんですね。NHKは全く見ないので知りませんでした。
出演者が全く異なっているのは当然ですが、ドラマオリジナルストーリーもあるそうです。
ご興味のある方はご覧になってはいかがでしょうか。
主な出演者:
檀れい、北乃きい、小林星蘭、坂井真紀、津田寛治 他。
2010年放送 POINT
※マークの見方
見放題:追加料金なしで見ることができます
POINT:作品ごとに追加料金が必要です
おわりに
私は小説をほとんど読まないので、すばらしい小説の存在は映画化やドラマ化されて知ることがほとんどです。
たまに感動した映画の原作を読むことがありますが、先に映画で感動してしまっているので、原作の方ではそれほど感動しないということが多いです。
感動した小説があって、その映画化作品を後で見たという経験がないので、その場合は映画がつまらなくなるのかなあと勝手に想像してしまいます。
そのへんどうなんですかね?
「八日目の蝉」はタイトルの意味がとても気になる作品ですので、解明の手掛かりをつかむという意味で原作を読んでみようかなと思ってます。
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最後までお読みいただきありがとうございました!
※本ページの情報は2021年5月時点のものです。最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
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