Lenovo社のIdeaPad gaming 370iは、ゲーミングノートPC初心者の方におすすめできる高コスパなノートパソコンです。
ゲーム目的の方だけでなく、高解像度の画像や動画の編集など、グラフィック専用チップが搭載されたパソコンが必要な方にもおすすめできます。
CPUもグラフィック機能も最新の型ではありませんが、まだまだ十分通用する性能です。
現在ゲーミングノートPCをお探しの方は、この機種を基準として他機種を検討してみるのも良いかもしれません。
本レビューで使用する機種の主なスペックは、以下の通りです。
名称 | スペック |
---|---|
CPU | Intel Core i5-12500H |
メモリ | 16GB(8GBx2:デュアルチャネル) |
グラフィックス | ①NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPU ②Intel Iris Xe Graphics |
本体重量 | 約2.6kg(公称値) |
ストレージ | 512GB(NVMe) |
モニターサイズ | 16インチ |
モニター種類 | IPS 1920x1200 |
バッテリー | 11時間(JEITA2.0)(公称値) |
※本記事は、Lenovo社からお借りした実機を試用した結果に基づいて作成しております。
なお、現在(2023年12月)IdeaPad gaming 370iは公式サイトでの取り扱いは行っておりません。
新しくLenovoのLOQが登場しております。気になる方は、ぜひ公式サイトでご覧いただければと思います。
本記事のまとめでも、簡単にご紹介しております。
IdeaPad gaming 370iがおすすめな方は?どんな使い方が向いている?
実際に触ってみた感想をふまえまして、どのような方に向いているのか、どのような場面での利用が向いているか考えてみました。
良い点
- 搭載CPUとグラフィック専用チップの両方とも高性能なのでオールマイティに使える
- 液晶画面が16インチなのでノートPC単体で画面を広く使いたい方におすすめ
- 画面が1920x1200と通常より若干縦に長いので資料などが読みやすくなる
パソコンの頭脳部分であるCPUとグラフィック専用チップは、最上位レベルとはいかないまでも、かなり高性能で決して低くはありません。
内蔵ストレージやネットワーク機能、USB端子などの性能は、高性能です。
Microsoftオフィス(エクセルやワードなど)で重い処理を行ったり、Zoomなどでオンラインミーティングを行ったりと、普段使いレベルの動作はストレスなく行えました。
かなりマシンパワーが必要になる使い方をしても、快適に操作できると思います。
液晶画面は16インチと広いので、24インチほどの外部モニターを接続して2画面で利用する場合でも、それほど違和感なく画面の移動ができます。
よく見かける解像度が1920x1080の画面に比べて、IdeaPad gaming 370iは1920x1200と若干縦に長くなっていますので、Webページや縦長の資料などを見る際に有効です。
弱い点
- 本体重量が2.6kg(公称値)と重めのノートPCに分類されるので、頻繁に持ち歩くのは辛い
- 超高性能機に比べると高負荷時のファン動作の頻度が高くなるので、静音性を求めるのは難しい
本体重量が約2.6kg(実測値)で、アダプター重量が約0.96kg(実測値)と、2つ合わせますと約3.6kgになります。
長時間持ち歩くのは、ちょっと嫌になりそうです。本体は2リットルと600mlのペットを1本ずつ持っているくらいですので、どの程度かはわかりますね。
ただし、主にご自宅内でお使いになる場合に問題なるほどの本体重量ではないでしょう。
ファンの音は、もっと高価な超高性能のノートPCに比べると動作頻度が上がるのは当たり前ですよね。ファンの音が気になるのでしたら、もっと高いゲーミングPCを購入するしかないと思います。
とは言いましても、超高性能機を購入したからといって、全くファンの音が鳴らなくなるわけではありません。
下の表は、パソコンの用途別評価の一覧です。
私なりにIdeaPad gaming 370iを評価してみました。
各項目3段階(◎、○、△)のアバウトな評価ですので、参考程度にご利用いただければと思います。
用途 | 評価 | ひとこと |
---|---|---|
Web閲覧 | ◎ | |
ネットミーティング | ◎ | |
Office系アプリ | ◎ | |
動画鑑賞 | ◎ | |
画像作成・編集 | ◎ | |
動画編集 | ◎ | FullHD動画の編集を難なく行えるでしょう |
プログラミング | ◎ | 幅広い分野のプログラミングでも活躍して くれるでしょう |
オンラインゲーム | ◎ | 高FPSのゲームでも快適に遊べるでしょう |
3DCG・4K編集など | ○ |
IdeaPad gaming 370iの特徴
CPUはIntelのCore i5-12500H
このクラスのCPUは、一般的に標準以上の性能の機種で良く見かけていました。(現在は旧世代のCPUですのであまり見かけなくなっています)
日常的にお使いの方ですと、通常レベルの画像や動画編集、デジカメで撮影したRAWファイルの現像などは、ストレスなく快適に行えます。
ビジネスユースの方は、オフィス系アプリでの資料作成、オンライン会議などを、特に制約を受けることなく使用できるでしょう。
本記事の後半で、レビュー機で行いましたPCMark10でのベンチマーク結果を掲載しております。
普段使いレベルでは、ストレスを感じることなく快適に操作できるでしょう。
余裕のある内蔵メモリ量
IdeaPad gaming 370iのレビュー機は、16GBのメモリを搭載しております。
8GBのメモリを2枚使用したデュアルチャネルでして、最高のパフォーマンスを発揮できます。
オフィス系のアプリを使うだけ、動画を見るだけなど、同時に他のアプリを動かさない使い方でしたら8GB搭載機でも良いと思います。
でも、動画を見ながら、Excelで計算しつつ、Powerポイントで資料を作成するなど、複数のタスクを同時に行うことをお考えでしたら、本機のように、16GB以上のメモリを搭載しているノートパソコンが良いです。
メモリは多く搭載すれば良いというものではありませんが、可能でしたら多少余裕を持たせた方が、スペック不足で使い物にならなくなるまでの時期を先延ばしできるというメリットもあります。
また、搭載CPUがIntelのCore i5-12500Hと高性能ですので、CPUをフルに活かすためには16GB以上搭載したいところです。
グラフィック専用チップを搭載
NVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPUは、グラフィック関係の処理を専門に行うプロセッサです。
3060という型番は旧世代のものになりますので、最新で超高性能とはいきませんが、決して非力ではありません。
デジカメのRAWファイルの現像程度でしたら、サクサクとストレスなく作業できます。
FPS系のオンラインゲームや通常レベルの動画編集なども、普通に使えるでしょう。
自宅内を移動させるくらいは問題ない本体重量
IdeaPad gaming 370iの本体重量は、約2.6kgでした。ほぼ公称値です。
自宅にある秤は最大2kgまでしか測れませんでしたので、体重計で測りました。
ノートパソコンを購入される場合は、持ち運ぶことを前提にお選びになる方が多いでしょう。
1.5kg前後の重さですとギリギリ持ち運ぶ気になるのですが、2.6kgとなると持ち歩く気にはならないですね。
ちなみに、電源アダプタを含めると約3.6kgになります。
そもそもゲーミングノートPCの使い方は、普段はご自分の部屋でお使いになり、ときどき気分を変えてリビングで使ったり、たまにお友達の家で一緒にゲームしたりするといった移動頻度でしょうから、本体重量はあまり問題になることはないと考えます。
広い16インチモニター、解像度は1920x1200
液晶モニターは、16インチの大画面です。
縦が21.5cm、横が34.6cmありました。
事務用のノートパソコンでしたら14インチ程度で良いと思いますが、ゲームをしたりクリエイティブな作業をする場合は、なるべく大きな画面の方が良いですよね。
ノートパソコンに外部モニターをつなげれば大画面を使えるとは思いますが、ちょっと移動させる場合に外部モニターも一緒に持っていくのは面倒です。
やはりゲーミングノートPCのモニターは、15インチ以上は欲しいですね。
1920x1200の解像度は明確な差が出るものではないですが、縦方向の表示領域は広くなります。
モニターに関しましては、下の方でもう少し詳しく説明しております。
高性能な外部モニタ出力
IdeaPad gaming 370iは、HDMI経由ですと4K画質(3840x2160)でのモニター出力が可能です。
外部モニターは、ノートパソコンをプライベートでご利用の場合は利用機会は少な目かもしれませんが、ビジネス用途でお使いの場合は利用頻度は結構あると思います。
4K出力が可能ですと大画面のモニターに映した場合でもキレイに表示されるので、とても見やすいです。
下のスクショは、自室の液晶TV(BRAVIA KJ-49X8500F)にHDMI経由で出力した際の情報です。
高性能なUSB端子を複数搭載
パソコン本体の性能が高くても搭載しているUSB端子の性能がイマイチな場合は、外部機器を接続した際にパソコンのパワーを活かしきれません。
IdeaPad gaming 370iは、高性能なUSB3端子が3つ搭載されいまして、外部接続機器の選択に困ることはほぼないでしょう。
大容量のUSBメモリや外付けストレージと大量データのやり取りを行う際のストレスが大幅に軽減されますし、超高解像度の外部モニターを接続して利用することもできます。
高性能な外付け機器を快適に利用するには、ノートパソコン本体が高性能なのはもちろんのこと、外付け機器を接続する端子部分の性能もとても重要です。
外観チェック
IdeaPad gaming 370iを色々な角度から見ていきます。
ノートパソコンの蓋です。
派手さはなく、マットな感じのLenovoらしい蓋です。
蓋を開いたところです。
裏面です。
上半分はエアーの吸い込み口です。底から吸い込んで、本体の左右と後ろから吐き出すようになっています。
液晶画面の上には、Webカメラとマイクが付いています。中央の赤い丸は、Webカメラのシャッターを閉じた状態です。
Webカメラのシャッターを開けた状態です。シャッタの開け閉めは、Webカメラ上部のスライドスイッチを使って手動で行います。
スピーカーは、本体底面の左右にあります。(黄色矢印部分)
電源ボタンはキーボードの上の中央にあります。
指紋認証センサー付きではありません。
本体の両サイドの端子類です。
まずは、向かって左側です。
向かって右側です。
後ろにも端子があります。
電源コードと外部モニター端子(HDMI)が後ろにありますので、机がスッキリします。
サイズ感
本体の外寸は、以下のとおりです。
横幅は約357mm、奥行きは約277mmでした。
厚さは、以下のとおりです。
中心部分の厚さは、約28mmです。
ディスプレイの詳細
ディスプレイは、WUXGA(1920x1200)の非光沢パネルです。
視野角は、とても広いです。複数の方と一緒に画面を見る場合に都合が良いですね。
でも、のぞき見には十分ご注意ください。
蓋は最大で下の図くらいまで開きます。
キーボード・タッチパッドについて
キー配列は以下のとおりです。
キーピッチは19mmでして、標準的なフルキーボードと同程度の幅でした。ゆとりがあって打ちやすいです。
キーストロークは、約1.5mmほどでした。
標準的なパンタグラフのフルキーボードと比べますと若干浅めですが、押し込む抵抗感や戻りの反動はシッカリしていまして、グラつき感もなく打ちづらさはありませんでした。
各種端子の説明
IdeaPad gaming 370iには、以下の端子が付いています。
端子名 | 個数 | サイド | 備考 |
---|---|---|---|
USB 3.2 | 1 | 背面 | Type-C |
USB 3.2 | 2 | 左右 | Type-A |
HDMI | 1 | 背面 | |
有線LAN | 1 | 背面 | |
マイクロフォン/ヘッドフォン コンボ・ジャック | 1 | 向かって右 |
ベンチマーク
PassMark(CPU性能チェック)
本記事のレビュー機のCPU Intel Core i5-12500HのPassmarkスコアは、以下のとおりです。
PassMarkスコアの目安はネットで調べると色々公開されていまして、20000前後の場合は以下のような使い方をするノートパソコンに向いているようです。
- Office系ソフトのハードな作業
- 高度な3Dゲーム、動画配信など
- クリエイティブな作業(4K動画編集、3DCADなど)
上の内容は、私が実際に使ってみた感触と同レベルです。
標準レベルの使い方でしたら、様々な用途で力を発揮できるでしょう。
同レベルのCPUを挙げておきますので、もし該当するCPUを搭載するノートパソコンを操作する機会があるのでしたら、参考にしてください。
CPU | PassMark | TDP(W) | コア数 | Pコア数 | Eコア数 | スレッド数 |
---|---|---|---|---|---|---|
Intel Core i5-13500H | 23322 | 45 | 12 | 4 | 8 | 16 |
Intel Core i5-12600H | 23062 | 45 | 12 | 4 | 8 | 16 |
Intel Core i5-12500H | 21567 | 45 | 12 | 4 | 8 | 16 |
AMD Ryzen 7 7735U | 21261 | 28 | 8 | - | - | 16 |
Intel Core i5-13420H | 18668 | 45 | 8 | 4 | 4 | 12 |
3DMark(グラフィック処理性能チェック)
IdeaPad gaming 370iのグラフィックス機能は、グラフィック専用チップのNVIDIA GeForce RTX 3060 Laptop GPUを使用しています。
最新の製品ではありませんが、コスパに優れた高性能なまだまだ現役で使えるチップです。
ハードな3Dゲームでも満足できる性能だと思います。
FINAL FANTASY XIVベンチマーク
FINAL FANTASY XIV(以下FF14)は、大好きなオンラインゲームのひとつです。FF14で遊ぶときは、自作のデスクトップ機(高品質設定でスコアが13000ほど)を使用しています。
FF14はお持ちのパソコンの性能に合わせてグラフィック設定を自由にカスタマイズできます。
IdeaPad gaming 370iの性能であれば、多少無理な設定をしても、とても快適に遊べると思います。
結果は以下のとおりです。
グラフィック設定 | スコア |
---|---|
標準(ノートPC) | 21671 |
高品質(ノートPC) | 19244 |
最高品質 | 16602 |
全く問題ありませんね。色々な設定を試しまくってください。
PCMark10(アプリ実行時の総合的なパフォーマンスチェック)
パソコンとしての使い勝手のレベルを測る際は、PCMarkを使っています。
結果は、以下のとおりです。
アプリケーション系のベンチマークでも、素晴らしい結果が出ています。
ハードなゲームでも、重たい事務処理でも、オールマイティに使えるノートパソコンであるということを示しています。
まとめ
IdeaPad gaming 370iを試用してみたかった一番の理由は、最上位ではないけど決して低くない性能のノートパソコンで、どの程度の使い方ができるのかを知りたかったからです。
現在3Dゲームはデスクトップ機で十分遊べていますので、もう1台ゲーミングPCを買う余裕はないのですが、もしゲーミングノートPCがあったらどんな日常になるかが気になっていたんですよね。
今回試用したゲーミングノートPCは、CPUもGPUも現在使用しているデスクトップパソコンより高性能でしたので、3Dゲームで遊ぶにしても、ブログ作成やプログラミング、オフィスアプリでの重たい処理を行うにしても、十分快適に使うことができました。
特に、普段は24インチモニターを使用していますので、16インチモニターで3Dゲームをやったら画面が狭くてストレスを感じるかなと予想していたのですが、実際に遊んでみますと、画面が狭いことは全く忘れてゲームに没頭できたのは驚きでした。
私のパソコンの使い方で考えますと、今回試用したIdeaPad gaming 370iのレベルで十分だと思いました。超ハイスペックの超高価な機種は購入しなくても良い感じです。
やはりどんな道具でも、便利そうだなあと感じたら直ぐに手を出すのではなく、一番大事なポイントを認識してからじっくり検討したほうがいいなあと改めて感じました。
なお冒頭でも簡単にお伝えしましたが、今回ご紹介しましたIdeaPad gaming 370iは、すでに新しいシリーズに変わっています。
LenovoのLOQシリーズですね。
超ハイスペックがお望みの場合は、おなじみのLEGIONシリーズになります。
中でもおすすめなのが「Lenovo LOQ 16IRH8(RTX4050 Laptop GPU搭載)」です。
Lenovo LOQ 16IRH8(RTX3050 Laptop GPU搭載)でも良いかなと思ったのですが、グラフィック性能がIdeaPad gaming 370i(RTX3060 Laptop GPU搭載)より2割ちょっと落ちてしまいます。
詳細はLenovo公式サイトでご覧いただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました!
コメント